中学の成績で評定「1」がついてしまう生徒は実際にいます。
昔は相対評価だったので1が付く生徒は必ずいました。しかし今は絶対評価なので、先生の計らいで1が付く生徒はかなりいなくなったと思います。
ただ、そんな現代でも通知表に1がついてしまう生徒がごく少数ですが存在しています。自塾の塾生では見たことがありませんが、同級生に1ばかりの子がいるというのは毎年生徒から聞きます。
では、中学の成績(通知表)で1がつく理由は何なのでしょうか?塾長の立場から、1がついている理由を解説します。また、通知表に1がついている場合の高校に行けないのか?についても解説します。
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中学の成績で1がつく理由まとめ:通知表1の割合や偏差値は?
中学の成績で1がついてしまう理由は何なのでしょうか?
また、中学の通知表に1がついてしまう生徒の割合はどのくらいで、偏差値はどの程度になってしまうのでしょうか?
まずは、中学の成績で1がつく生徒の特徴を見ていきましょう。
不登校(出席日数が足りていないケース)
塾の現場で、通知表に1がついている生徒の話を聞くことがあります。その際、1がついてしまっている生徒には共通して見られる特徴があります。
それは、「不登校」です。普段は学校に行かず、テストの日だけ出席している生徒も中にはいます。このようなタイプの生徒の成績に「1」がついているようです。
今の時代、余程のことがないと1はつかない(2で止めてくれる)のですが、不登校など出席すらしていないケースではやはり1が回避出来ていないように感じます。
テストの点数が1ケタ
1がどうしても避けられない子の1つに、テストの点数があまりにも低すぎるというのが挙げられます。
具体的には、テストの点数が1桁になってしまうような生徒です。
1桁?と思うかもしれませんが、公立中学だと1桁の点数を取る子が数%います。近隣中学校のテスト結果の点数別内訳を見ても、毎年一定数います。
その子たちの中の一部の生徒は、「1」を回避できていません。
ただ、最初に言った不登校の生徒と1桁の生徒が同一の場合も多いです。授業にも参加せず、テストの日だけ来て1桁の点数で終わってしまう…
これだと先生も1をつけるしかないです。
主体的に学習に取り組む態度が酷すぎる
新学習指導要領になり、評価観点は全部で3つになりました。
①知識・技能
②思考・判断・表現
③主体的に学習に取り組む態度
この3つです。
この中でも、評定1に直結するのは「③主体的に学習に取り組む態度」です。授業態度や提出物などもこの項目に入ります。
1がつく生徒は、授業中に常に居眠りをしていたり、提出物を1つも出さないといった傾向が見られます。その上で、テストの点数も極端に低い…
通常、テストの点数が20点とかでも、今の時代なら「2」で止まります。しかし、授業態度や提出物がダメだと救済できません。この状況だと、学校の先生も1をつけざるを得ないと判断する可能性がグッと高まります。
中学の成績で1がつく生徒の割合
中学の成績で「1」が付くことがどれくらいやばいか、データで知っていますか?そもそも、1がつく生徒は学年全体のどれくらいかご存知ですか?
まず、以下の資料をご覧ください。

引用:東京都公式サイト
東京都のデータですが、学年の中で評定1〜5を取る生徒の割合が公表されています。その結果、各評定の割合はこうです。
・評定5:全体の約12%
・評定4:全体の約24%
・評定3:全体の約47%
・評定2:全体の約14%
・評定1:全体の約4%
ここから読み取れるのは、評定で1が付く生徒は全体の約4%程度であるということ。1学年150人と仮定すると、学年の中でも6人程度が1です。
・150人中最下位6名が評定「1」
これが評定1の水準であり、いかにやばい状況であるかが伺えます。
通知表の成績が「1」の場合の偏差値
通知表に1がついている教科において、学力の偏差値はどの程度なのでしょか?
以下は、偏差値と全体割合の関係をまとめた表です。

この表から導かれる評定1の生徒の偏差値は「偏差値30〜33程度」でしょう。
なお、全日制の公立高校でこの偏差値帯の高校はまずありません。県内最下位の偏差値の高校でも偏差値40程度で止まっています。
後述しますが、「1を取る生徒が高校に行けない」と言われてしまう理由がここにもあります。
中学の成績で1がつく理由が分かった後に:通知表1は高校行けない?
中学の成績で1がついてしまったとして、一番懸念すべきは「高校進学」です。
・1がついている生徒は高校に行けない
こんなフレーズを聞いたことがある方も少なくないでしょう。
ここからは、成績で1がついている子の高校進学と今後の対処法について解説していきます。
公立高校(全日制)への進学は絶望的
通知表に「1」がある場合、最も進学が難しいのが公立高校の全日制でしょう。
ハッキリ言いますが、1がついている子の公立高校受験は無理。諦めてくださいというしかないです。
そもそも、公立高校受験の最低の内申ラインは「オール3」です。2がついている状況でも辛いのに、1があるというのはそもそも論外です。
公立高校はどうしても内申点を見られてしまいます。県によっては、内申点の占めるウェイトが半分程度はあり、それで合否が決まると言っても過言ではありません。
そのため、1がついてしまうとどれだけレベルを落としても、公立高校への進学は厳しいと言わざるを得ません。内申点の不足なんてレベルではないぐら絶望的な状況です。
私立専願でも行ける高校はかなり限れられる
公立高校が難しいとして、私立高校ならどうか?
結論、私立専願であれば、県外も含めて探せば行ける高校は少しはあると思います。
しかし、選ぶ権利はないと思ってください。
そもそも、私立専願でも内申点は非常に重視されます。高校側も推薦基準として通知表の評定で何かしら最低ラインを設けています。
例えば、
・通知表の評定に1がないこと
と書かれている学校であれば、校長先生も推薦書を書くわけには行かないです。高校側に明らかに拒否られている生徒を、お情けで送客するわけには行かないからです。
私立専願とはいえ、内申に1があるのはどう考えても致命傷です。
定時制高校や通信制高校になら進学できる
評定に「1」が多い生徒でも受け入れてくれるとなると、現実的な選択肢は以下の2つです。
①定時制高校
②通信制高校
これらの高校であれば、通知表に1があっても合格をもらえる可能性が十分にあります。
特に通信制高校は基準が緩い傾向にあり、数もそれなりにあるので選ぶこともできます。通信制高校に関しては、以下のサイトで一気に資料請求をかけることができます。
保護者様は早急に資料を取り寄せ、狙い目の高校に目星をつけておきましょう。

※なお、中学生の通知表の成績に対する塾講師の忖度ない本音の厳しい評価は以下のとおりです。本当のことしか書いていないので、心臓の悪い方は読まないでください。
総括:中学の成績で1がつく理由まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
中学の成績で「1」がつく理由
- 不登校(出席日数が足りていない)
- 学校に通わず、テスト日だけ出席している生徒に多い。
- 出席がないと「1」が避けられない。
- テストの点数が1桁
- 公立中学では一定数、1桁の点数を取る生徒がいる。
- 授業不参加+1桁の点数では「1」がつく。
- 主体的に学習に取り組む態度が酷すぎる
- 提出物を出さない、授業中に居眠りなどの態度。
- テスト点数が低く、態度評価も低いと「1」になる。
中学で「1」がつく生徒の割合
- 評定1の生徒の割合:全体の約4%
- 1学年150人の場合:最下位6人程度が評定「1」。
通知表「1」の生徒の偏差値
- 偏差値は30〜33程度。
- 全日制の公立高校には偏差値30台の学校は存在しない。
成績「1」の生徒の高校進学について
- 公立高校(全日制)への進学は絶望的
- 公立受験では「オール3」が最低ライン。
- 「1」があると内申点が足りず、受験資格すら厳しい。
- 私立専願でも進学は限られる
- 内申点「1」があると推薦基準を満たせない高校が多い。
- 選べる高校は非常に限られる。
- 定時制高校や通信制高校が現実的
- 定時制・通信制高校は内申基準が緩く、進学可能。
- 特に通信制高校は選択肢が多く、柔軟に対応してもらえる。
対処法
- 保護者は早急に対策を講じることが重要
- 定時制や通信制高校の資料を取り寄せ、進路を検討する。
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