小学生の一部の保護者さんから聞くこのフレーズ。

「小学生のうちに勉強を追い込んで嫌いになられても困るので、今は伸び伸びやらせています。」

子供の自主性を最大限尊重するという親の教育方針。

素晴らしいですね。

小学生のうちにガミガミ言って勉強しなくなっても困りますもんね。

小学生のうちにキツくしすぎて、その反動が中学で出ても困りますもんね。

勉強嫌いにならないよう、ちゃんと考えられている。

全親さん、見習った方がいいですよ!

 

 

 

 

って、そんなわけあるか。笑

それは自主性を尊重することを履き違えすぎ。

自主性を尊重する事と、放置する事の区別がつていない。

本記事では、

「小学生のうちに勉強を追い込んで嫌いになられても困るので、今は伸び伸びやらせています。」

“なぜ典型的な失敗パターンに終わるか”を解説します。

子供が勉強嫌いになるメカニズム

そもそもこの問題は、子供が勉強嫌いになるメカニズムを正しく理解していないことに原因があります。

勉強嫌いになる理由については以下の記事で詳しく解説しています。

関連:子供が勉強を嫌になる本当の理由!嫌いだからではなく〇〇〇〇から

簡単に解説すると、

「子供が勉強が嫌になり理由は”勉強が出来なくなるから”」

です。

人間は、出来ないことが出来るようになることに喜びを感じられる生き物です。

子供だって、解けない問題が解けるようになった瞬間は最高にいい顔をします。

これは、勉強がどんなに苦手な子でもそう。

出来るようになることは、それ自体が楽しいことなんですよ。

でも、その逆は苦痛。

つまり、出来ない事を淡々とやらされる瞬間。

「5段までしか飛べない跳び箱を、10段まで飛べと言われる瞬間」

「日本語も怪しいのに、いきなりフランス語をやれと言われる瞬間」

「分数の計算すら出来ないのに、連立方程式を解けと言われる瞬間」

全部苦痛。

理由はシンプル。

出来ないから。

出来ないから面白くないしやりたくない。

中学に入学した我が子を本気で想像すれば考え方は変わる

改めて考えてみて欲しい。

小学校で勉強嫌いになっても困るからと、分数計算すら出来ないまま中学校に上がった我が子を。

速さ割合の文章題から逃げまくってきた我が子を。

中学に入ると、いきなり方程式やらされて、心がへし折られるであろう我が子を。

急に周囲から「やらんとマズイ」と圧をかけられる我が子を。

小学校の間は勉強嫌いにならずに済んだかもしれませんね。

だって、出来なくても指摘されていないからね。

現実を見て見ぬ振りしてるからね。

でも、中学に入るとテストでは順位つけられて、嫌でも現実叩きつけられますよね。

そうなると、さすがに親も見て見ぬ振りも出来ない。

このタイミングで、

「さあ、高校受験もあるし、ここから頑張ろうか!」

って、これが機能すると本気で思いますか?

自主性の尊重を言い訳に、子供の勉強と本気で向き合うことから逃げてきた親の元で。

これは典型的な失敗例の1つです。

小学生までは介入し中学生から手を離すが正解

では、どうするのが正解か?

それは、すべて逆をやれば正解。

そもそも小学生の勉強までは、親は積極介入しないとダメです。

勉強が嫌になるメカニズムは、出来なくなるからです。

追い込まれてしんどいからではない。

出来ない事をやらされることが苦痛なだけ。

だからこそ、小学生の勉強は出来るまでやらせないとダメ。

やらせている瞬間は、確かに子供に負荷をかけることになりますよ。

しんどい顔するかもしれないし、かわいそうに思えるかもしれない。

でも、出来なくなるより100倍マシ。

だって、出来なくなったらそこからもうやらなくなっちゃうから。

好き嫌いの問題ではなく、拒絶反応起こして、やらなくなっちゃうから。

こうなってから治療してもキツいから。

将来勉強嫌いにしたくないなら、小学校の勉強までは絶対にやらせ切らないと。

多少子供に恨まれたって、そこまでは親がやらせ切らないと。

そこから先の勝負に進めない。

バッターボックスに立つ資格すら与えられない。

それを望んでますか?って話。

小学校の勉強を放置するってのは、バットもヘルメットもスパイクも与えずに座席に送り出すのも同じこと。

素手で打たせるつもりですか?

しかし、勉強において自主性が大事なのはその通り。

結局のところ、言われないとやれない子は、どこかで頭打ちになります。

だからこそ、小学生までの教育の中で、子供の当たり前の基準を上げておかないとダメ。

放置して伸び伸びやらせてる場合じゃないんです。

小学生まででほぼ決着がつくからです。

なぜなら、中学に入る段階では、およそその子の価値観形成は終わっているからです。

このタイミングで

「勉強することは当たり前」
「勉強ができないとマズい」

と子供が思っていなければ、中学以降は勉強においてそこまで期待できません。

逆言えば、そこまで出来ている保護者さんから順番に、子供から手を放せる。

言わなくてもやるから。

一方、失敗する人は常にこの逆。

小学生の間は散々放置しておいたにも関わらず、中学に上がった段階で積極介入。

いや、中学に上がって反抗期も重なるそのタイミングで、子供がおとなしく言うこと聞くかな?

まして今まで大して勉強させてこなかった親の言う事を。

それ親自身が矛盾を起こしてるし、子供もその違和感に何となく気付きますよ。

戦略をミスったのは子供じゃない。

ミスったとすればそれは親。

関連:中学以降で上位層に君臨する子供の保護者さんに共通すること

まとめ:小学校の勉強をナメてはダメ

さて、今回のまとめ。

「小学校の勉強をナメてはダメ」

この一言。

と言うよりも、親さんの意識の問題で子の学力がめちゃくちゃ左右されてしまう。

「まだ小学生だし、これから出来るようになればいいよ。」

と声かけする家庭と、

「小学生でここまでは出来るのが普通だよ。」

と声かけする家庭。

当たり前の基準の差=子供の学力の差

こんな感じでしょうか?

関連:塾は口が裂けても言えない(けど言う)!成績を上げるために必要な親の条件