高校受験の勉強は努力次第でなんとでもなる!

塾の宣伝チラシなどで何度もこのような希望に満ちたマーケティングフレーズを目にしますが、果たして本当にそうでしょうか?

もちろん、努力が実るかどうかなど「その人の目標値と現状の差」に依存します。明らかに勉強が苦手な子に県のトップ校を目指させる努力が実るのか?と言われれば、ほぼ間違えなく実らないです。

でも、今回はそういう話をしたいわけではないです。

高校受験というか勉強全般で言えることなのですが、「科目によって努力が実りやすさが異なるのが現実」という事実をきちんと理解してほしいです。

タイトルにもありますが、英語は努力で伸ばしやすいですが、数学は努力しても伸ばせない子が多いです。

この現実を無視して、何でもかんでも努力論に持っていくと、上手くいくものもいかなくなります。努力は最低ラインのこととして、努力の方向性を間違えないことが現実的な戦略としては重要です。

英語は努力によって得点を伸ばしていける教科

高校受験において、英語は得点差が開く科目です。少なくとも兵庫県はそうで、高得点を取る生徒の割合が多い一方で、極めて低い点数になる子も多いです。

全ての県を調べてはいませんが、公立高校の入試であれば大体どの県でも同じことが言えると思います。英語は明らかに得点分布が二極化しているのです。

一方で、数学はどの県を見ても高得点を取る生徒の割合が極めて少ないです。80点以上になると、受験生全体の5%以下とかになっています。しかし、英語のように明らかに低い点数の生徒は大勢います。

数学は、50点〜70点の間に最も密集しやすく、普段の学校の定期テストの点数が高い子でもそのレンジに引き寄せられます。これが数学という教科の性質で、得点差が開きづらいと言われる理由です。

数学は高得点を取れる生徒がそもそも少なく、努力しても高得点になる保証がなく、より才能ゲーになります。塾を何年かやれば分かりますが、「数学適正」という概念は必ず存在します。

でも、英語は二極化こそするものの、80点以上の生徒の割合も15%以上はあることから分かる通り、高得点が十分に見込める教科であることが数字からも分かります。

よって、人によるという当たり前の前提を踏まえたとしても、同じ努力量を突っ込んだ時に、期待値が高い科目は数学よりも英語であると結論づけることができます。

【現実】誰でも努力さえすれば英語で高得点を取れるは嘘

英語は努力次第で伸ばしやすい教科ではあります。しかし、努力さえすれば誰でも高得点を取れる!と言えるわけでもありません。

まず大前提、英語をハックする上で何よりも重要になるのが「単語力」です。昨今の中学生では、小学校段階で習う単語も含めて約2000近い単語量を要求されます。

つまり、莫大な英単語を中学3年間の間できちんとストックした上で、受験長文に出された時に瞬間的に意味が分かるような状態まで持っていく事ができてはじめて得点が期待できるという事です。

しかし、暗記力という勉強適性がない生徒は、この最初のハードルがまあ越えられません。圧倒的な物量に脳のキャパが追いつかないからです。さらに胆力までない子であれば、途中で逃げ出してしまうものです。

だから、その子なりに頑張れば、頑張った分は結果として返ってくるというわけでもありません。

一定のラインまで届かなければ、それは全く勉強していない子と同じレベルの得点にしかなりません。中途半端な努力は全て無効化されるのが現代の教育カリキュラムなのです。

結局は、「実践レベルで使い物になる英単語の量は何個なの?」問いう話です。努力させても記憶力が弱い子は結局単語の量は少ないままですし、記憶維持力が弱い子は、すぐに忘れてしまうので本番では使い物にならないこともよくあある話です。

だから、記憶力や記憶維持力のポテンシャルが少なくとも学年の半分以内にはいないと、努力したからといって、結果に直結するとは言ってあげられません。結局覚えられなかったり忘れられたりすれば、その努力は無意味だからです。

英語力以前に国語力で死んでいる場合の努力は実らない

英語の努力が必ずしも実るわけではないと言える理由は、英単語の量があまりにも多すぎることだけではありません。

正直、単語だけなら、苦手な子でも鬼畜なレベルで追い込んで英単語暗記させればまだ希望は見えます。もちろん、勉強が苦手な子にとってはここが地獄であり、親の思ってる15倍ぐらいハードですが。

しかし、仮に英単語を仕上げたと言っても、それだけで受験英語を得点できるわけではありません。

なぜなら、受験英語は長文読解が主流であり、英文を訳した後は「国語の問題」にすり替わってしまうからです。

例えば、

・空所に当てはまる指示語を答える問題
・各段落で述べられている事として正しいものを選ぶ問題
・本文の要約として正しい選択肢を選ぶ問題


と言った具合で、実際の設問は構成されます。

こうなると、普段から国語の読解問題が弱い子の場合、なんとなく本文を読めたとしても、設問で必ずと言っていいほど間違えてきます。

なんなら、全ての英語長文を日本語訳を見せてから設問に答えさせても、間違える子は平気で間違えてきます。根本的な地頭が弱く、まとまった文章を全体的に把握するといった能力が弱すぎるため、英語以前に文系科目全般と相性が悪すぎる典型的なパターンです。

だから、英語の努力が実るかどうかを事前に想定する場合、「最低ラインの国語力は備わっている子かどうか」が極めて重要です。ここが無いのに英語だけ努力させても、それは無駄な努力で終わる可能性は十分にあります。

普段の国語のテスト(特に実力テストの国語)などで50点以下ばかり取るような子だと、英語の勉強だけさせても英語の点数が上がりません。どこまで行っても言語科目なので、母国語が弱い生徒の点数はそう簡単に上がらないのが現実です。

そういう意味では、「学年でも地頭のレンジが上位半分以上の子が正しく努力すれば数学よりは点数アップの期待値が高い科目が英語」というのが正しい主張だと思います。

正直、下半分の生徒に関しては、英語で高得点はかなり難しいです。であれば、英語よりもワンチャン数学の方が努力した後の期待値が高くなります。

数学の場合、小問集合や基礎問題というのが必ずあり、難問はできなくても簡単な問題さえ取れれば、一定点数は取れてしまうからです。苦手な子でも、50点ぐらいまでなら狙えるのが数学ですからね。

でも、英語は最終的には全部長文読解問題に集約するので、数学の小問集合のように設問が独立しておらず、文章全体を理解できない子は、0か100かみたいな感じになりやすいのです。ここも努力が実りずらい理由の1つです。

高校受験の対策を考える上では、とにかくその子その子で得点の期待値が高いものから優先的に対策するしかありません。そして、その子の地頭によっては目標そのものが現実離れしていることを受け止めなくてはいけない時もあります。

総括:英語は努力で伸ばせる教科!の罠

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 努力は科目によって実りやすさが違う
    • 特に「英語は努力が実りやすい」が、「数学は努力しても伸びない子が多い」傾向がある。
  • 英語は得点の二極化が激しい教科
    • 英語は高得点を取る子と低得点の子に分かれる(特に兵庫県の入試では顕著)。
    • 一方、数学は中間層(50〜70点)に密集しやすい。
  • 数学は才能(適性)要素が強い
    • 高得点が極めて少なく、得点差が開きにくい構造。
    • 「数学適性」という言葉が現場では確実に存在する。
  • 英語は努力が実る可能性が高いが、それでも条件あり
    • 単語力が最重要。中学生は約2000語を瞬時に理解できる必要がある。
    • 記憶力が弱い子は、努力しても覚えきれず無意味になることが多い。
  • 英語の読解問題は国語力が必要
    • 英語長文読解は、実質「国語の問題」に近い。
    • 国語の実力(特に実力テストで50点以下など)がない子は、英語も伸びない。
  • 英語の得点アップの期待値が高いのは「地頭上位50%の子」
    • 地頭や国語力が平均以上あれば、英語は努力によって点数を伸ばせる教科。
  • 下位層の子にとっては英語より数学の方がマシな場合もある
    • 数学は小問集合・基礎問題があり、難問を捨てても50点前後は取れる。
  • 最終結論:子どもの地頭や適性を見極め、期待値の高い教科に集中すべき
    • 全教科で努力しろではなく、「その子が努力で伸ばせる教科」に注力するのが現実的な戦略。

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