中1の一番最初の定期テストで430点を取る生徒はさぞかし優秀だと思いませんか?

確かに優秀な子もいて、そのまま点数をキープして御影ぐらいを順当に受かるという子もいます。しかし、中1の1学期はテスト内容は最も簡単で平均も高く、400点オーバーは結構出ます。

ただ、それ以降のテストは難易度も上がり、努力量(勤勉性)も求められるので、中1の最初の点数が高い子ほどそこから先の下げ幅が大きくなるものです。点数的には400点キープが難しくなり、300点後半ぐらいで落ち着く子も多いです。

ただ、中には300点後半で止まれない子もいます。最初に430点とか取っていても、勤勉性が欠けまくっている生徒だと、そこから100点ダウンまでは平気で起こり得ます。

・夏休みの宿題は最終日にしかやらない
・塾で課題を出してもあれこれ言ってやらない
・確認テストや小テストなどの勉強はしない
・家で自主学習がほぼない
・ゲームばかりしてグダグダしている
・家でも寝てばかりいる
・学校の提出物はいい加減で評価が最悪
・人の話を聞いておらず、毎回のように聞き漏れがある

こんな感じの男子生徒です。

当然ですが、このタイプは内申点が極めて取りづらい傾向にあり、内申重視の兵庫県の公立入試と最も相性が悪いです。だから、実力的には御影や葺合を狙える素質の子ですが、最終的には内申不足で県芦までランクが下がります。しかも、最後はしんどい思いして県芦受験を戦うケースも多いです。

この現実を知らず、中1の最初のテストで点数が良かったからといって手放しで喜び子供に期待してしまう親が多いのですが、中1の後半ぐらいで雲行きが怪しくなり、中2の終わりになる頃には絶望していきます。

では、なぜこんなことが起こってしまうのでしょうか?また、どんなタイプの生徒がこうなるのでしょうか?

前置きが長くなりましたが、中1の1学期のテストで430点以上取ったのに最後には県芦になる生徒の特徴を解説します。

中1の1学期で430点でも勤勉性が皆無の男子生徒の末路

自塾に転塾してきた生徒の中に、中1の1学期は430点越えでしたが、中2の終わりには330点まで点数が下った子がいました。

この子は最終的に県芦に合格(しかもスレスレ)しましたが、最初の点数が高いので、「えっ、何があったの?」と思われがちですが、塾をやっていれば子のタイプは全く予想外でもなんでもありません。正直なところ、起こるべくしてこうなったと思います。

その理由は「勤勉性の欠落」です。ここからは、多少地頭が良くても勤勉性がない子がどこまで落ちるのか、現実を見せます。

勤勉性なしでも中1の1学期は高得点は取れる

まず大前提ですが、そこそこ地頭がいいタイプで小学校から塾通いしているタイプの生徒であれば、中1の最初のテストで430点は取れます。理由は、内容がしょぼく、一定の才能がある子は努力しなくてもそのくらい取れてしまうテストだからです。

数学は正の数と負の数のしょぼい計算がメインです。英語だって、be動詞と一般動詞の区別ができて、教科書にある単語さえできれば高得点です。国語も最初の読解なので普通にレベルが低い。理科は計算がない生物分野でチョロい。社会の地理が少し難しいかな?って世界です。

だからまあ、塾で授業を聞いてれば、素質のある子は国数英で高得点が取れてしまいます。で、テスト直前に理社のワークを何周かやらせれば70点〜80点ぐらい取れるので、まあ430点ぐらいは取れる子は取れます。

問題なのは、ほとんど努力をせず、才能と塾のサポートだけで高得点を取っているということです。

中1の2学期あたりから点数がジワジワ下がり始める

中1の1学期が最高打点で下がる子は、中1の2学期からジワジワと点数が下がります。

理由は、2学期ぐらいから学問の内容そのもののレベルがグッと上がり、塾で説明を受けてチョロっと演習をしただけだと高得点を維持できなくなります。だから、これまで高得点を取れていた英数国が降り始めます。

まあそれ自体は仕方のないことでもあるのですが、この層はその落差を埋めるだけの努力をしません。課題などを出してもやってこなかったり、そもそもいでの自主学習がほぼ皆無だったりします。

また、暗記で高得点を狙える理科社会の点数もこの辺りからガクンと下がります。そもそも理科は化学になれば計算要素が増え、生物のように一夜漬けで高得点が取れなくなり、日頃からコツコツやらない子は結構厳しいです。社会も教科書が進むにつれ、1ページあたりの用語量が増えるので、テスト範囲のページ数が同じでも暗記量は決して同じではなくなります。

要するに、より努力して点数をもぎ取りにいかないと、暗記科目で高得点は取れなくなります。だから、才能だけで努力をしてこなかった子がこの辺りからジワジワ死にます。

結局のところ、勉強適性とは理解力・記憶力などの知能面(IQ)と、コツコツ努力する勤勉性の両輪で決まります。430点を取れる時点で知能面はそこそこであることは間違えないのですが、勤勉性が欠落すれば100億%点数は下ります。

内申点が取れずに葺合も行けない

ちなみに、勤勉性がほぼ0の怠慢の極みのような男子生徒がこの属性には多く含まれます。小学校の頃は絶対に勉強はできていて、その流れで中1までは絶好調ですが、そこを頂点として転落します。

なんなら、この辺りからさらに一段階幼くなる傾向すらあり、小学校の時よりも手がつけられない生き物になります。

だから、公立中学の場合は内申点が壊滅的に取れません。

基本的に、女子生徒で真面目な子であれば、350点ぐらい定期テストで点数が取れれば、オール4に近い水準の内申点をとってきます。オール4は葺合合格に必要な目安内申なので、葺合に受かります。

でも、これが男子生徒で勤勉性のない生徒だと、同じ点数を取らせても4がせいぜい2〜3個ぐらいしかつかないことなんてよくある話です。提出物や普段の態度で評価が低く、点数的には本来4の水準でも3にされます。

しかも、勤勉性や真面目さなど見せ方が上手くないと評定が上がりずらい副教科が壊滅的に悪く、この層はテスト勉強もろくにやらない上、作品やレポートなどもまあ適当にやっています。

だから、内申点の中でも副教科を7.5倍する兵庫県の入試では致命傷になるような内申点を取り、学力的には葺合水準でも、内申点が不足して県芦〜六アイぐらいしか受けられるところがなくなります。酷い子だと、県芦や六アイをチャレンジみたいな感じになっちゃいます。

これで英語が取れないと兵庫受験はお葬式

なお、勤勉性が欠落して内申点もない場合、最後に勝負を分けるのは「英語と社会の出来」です。

兵庫の受験は教科ごとに点数が取りやすいものと取りづらいものがあります。得意不得意という変数を考慮しても、理科数学が取りずらく、英語と社会が取りやすいです。平均点や高得点者の割合を見ても客観的にそれは分かります。

しかし、勤勉性のない生徒は社会の暗記を適当にやりますので、社会で高得点を取らせられない可能性が極めて高いです。だから、英語しか高得点を取れるものがなくなります。逆に言えば、内申の不足具合にもよりますが、英語で80点以上とか見込めると、他教科次第で葺合もワンチャン狙えます。

ただ、勤勉性のない子は、コツコツ暗記しなければいけない英単語やイディオムが壊滅的に弱くなります。だから、英語も同時にドボンしている可能性が高いです。

もちろん、もともと430点も取れる子なので、腐っても平均よりはちょい上ぐらいの点数を取ることはできます。しかしそれだと葺合逆転合格が難しいので、最終的には県芦か六アイなどが落とし所になります。

これが地頭よくても勤勉性のない生徒の末路です。グダグダして努力できない系に受験は明るい未来を用意していません。

勤勉性のない生徒を塾通いさせる場合の注意点

ここからは、地頭ちょっといいけど壊滅的に勤勉性が崩壊しているお子さんをお持ちの保護者様への塾通いに関するアドバイスを、学習塾の経営者から本心でお伝えします。

勤勉性のなさはマジで治せない:受け入れるしかない

ここまで読むと、「なんとかして勤勉性を身につけさせたい!」と思う保護者さんが多いと思います。そのお気持ちは非常によく分かります。

しかしあえてハッキリ言いますが、勤勉性の無さは後天的に治せません。

よく、環境を変えれば…的な声を上げる人もいて、確かにその意見も間違えとは言えませんが、本当にそれで成果出てる?って話です。勤勉性の欠けている人間を一定数集め、一体どれくらいの生徒が改善していくのでしょうか?

正直、ほとんど治らないと思います。

勉強のアカデミックな領域の理解などであれば、説明を工夫したり、教え方や演習のタイミングや頻度などを調整すればある程度良くできるとしても、勤勉性というのは人間の「性根」の部分の問題です。こんなものを学習塾ごときで変えれるわけもないです。

だから、残念ですがこの手の努力できない系の子は、そういう子だと受け入れるしかないのが現実です。

何人も生徒を見ていますが、勤勉性に関しては本当に先天的なものが大きすぎます。何も言わなくても自分で努力できる子はどんどん努力します。塾である程度縛ればその瞬間だけは真面目にやる子もいます。

でも、塾で演習などで拘束ていても、途中でグダグダして演習の手を止める子もいるし、途中で寝始めたりする子もいます。少し目を離せばペンいじりをして、演習をサボる子もいます。

こういうのはね、しばく・脅すなどの手法を使わないとまず無理です。圧倒的な恐怖でやらないとまずい状況を作るしかない。

だけど、この時代に体罰なんて厳禁。いや、注意するのも神経が必要なクソみたいな時代が現代です。だからもう、この層を厳しくして改善していくというのはほとんど無理だと諦めてください。

というより、外部の機関は厳しくする指導を封じられているので、やるならあなたのご家庭で厳しい躾をしてください。

それが出来ない・しても効かないということであれば、もうそれが全てです。ここで塾に躾まで外注してもらおうと思うのもおかしな話だし、「月謝を払っているんだから、コツコツやらせるやる気を起こさせるのも塾の仕事!」なんてオラつく系の保護者も論外です。

親の期待値は適切に

地頭はそこそこあるけど勤勉性が欠けている子供をお持ちの保護者さんの場合、難しいのは保護者さんのお気持ちの整理です。

この層は、中1の1学期に430点とかいい点数を取れてしまっている手前、親御さんも過去の栄光を忘られない傾向にあります。そして、「ウチの子はやればできる!」と思っているし、何なら本当にやればできるので、なかなか期待値を下げることができないです。

しかし先述した通り、中1の1学期の期末はそもそも特殊です。努力しなくても一定の地頭があれば取れるテストだっただけで、それ以降のテストは努力変数が必ず求められます。

だから、努力変数=勤勉性が欠落しているのであれば、勉強においては勝利条件を一つ大きく欠けている子という現実のみが残るだけです。飛車はあるけど角はないみたいな状態です。だから、大して強くもないのです。

なので、親御さんは受け入れずらくとも、ある程度は期待値を適切に設定するしかないです。特に内申点がどう見ても取れないタイプの場合、兵庫受験では明らかに不利すぎます。

最大値として葺合で、県芦や六アイまで沈むことも十分に考えられるレンジの子。

これが現実なので、それを飛び越えた期待値を掲げると親の怒りや各方面に対する不満も募ります。これで子供に当たり散らかしてヒステリックになれば最悪です。

勉強は、一定の地頭を超えたら、あとは勤勉性の方が重要度が高くなる競技であることを受け止めましょう。

仮に何かしらの偶然が重なって高校受験でミラクルが起こっても、今度は大学受験で同じような悩みになるだけです。大学受験ともなれば、勤勉性が完全に欠落している子供など誰もどうにもできません。

いずれ最終的な着地地点は変わらないのであれば、途中地点でカチャカチャすることに本質的には自己満以外の意味は何もありません。

総括:中1の1学期で430点でも勤勉性が皆無の男子生徒まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

中1・1学期の430点は「まぐれ高得点」も多い

  • 中1の最初の定期テストは難易度が低く、努力せずに地頭だけで高得点が出せる内容。
  • 特に塾通いしていた生徒は、ほぼノー勉でも430点近くを出すことがある。

勤勉性がないと2学期以降に点数が下降

  • 中1の2学期以降は内容が難化し、努力なしでは点数維持が困難に。
  • 徐々に点数が落ち、最終的には100点近く下がることもある(例:430→330)。

勤勉性ゼロ=内申点も壊滅的

  • 普段の提出物・態度・副教科の評価が壊滅的。
  • 学力的には葺合や御影に届く力があっても、内申が足りず県芦・六アイ止まりに。

英語・社会が取れなければ兵庫受験は終戦

  • 兵庫の公立入試で点を稼ぎやすい英語・社会を取れないと、逆転はほぼ不可能。
  • 勤勉性がないと暗記や英単語が弱く、ここでも失点しやすい。

勤勉性のなさは「矯正できない」

  • 勤勉性は性格的な問題で、塾や環境を変えても基本的には改善しない。
  • 根本的には「家庭での躾レベル」の話であり、塾では対応不可能。

保護者の期待値コントロールが重要

  • 中1の高得点に引きずられて「やればできるはず」と過剰に期待してしまいがち。
  • だが、努力ができない時点で受験競技としては大きな欠陥。
  • 最大で葺合、現実的には県芦・六アイラインが妥当な進路。