葺合高校は、偏差値60の高校です。葺合以上から上位校と呼ばれることが多く、このエリアでは超人気の高校になります。
なお、自分の体感的には中1の最初の方で入塾を検討する保護者の半数以上が子供の志望校として葺合以上を掲げている印象です。
しかしハッキリ言いますが、そんな親の願いは8割方実現しません。正直に申し上げると、葺合高校合格の難易度をナメすぎています。葺合高校は公立中で上位25%ぐらいまでの学力水準が求められます。「10人子供を集めて上から2〜3番目に入っているような子」行く学校です。
にも関わらず、中1に上がるタイミングで半数以上の保護者が「最低でも葺合までは行って欲しいんですよね〜」と言うのは、あまりに現実と親の理想がズレていると言わざるを得ません。
そこで本記事では、実際のところどのような生徒が葺合高校に最終的に合格していくのかそのパターンを現場の塾講師の目線で解説します。
葺合高校に順当合格する生徒のパターン
自分が塾をやっている中で「こう言うタイプが葺合に受かるよね」とういう合格者のペルソナ像をお伝えします。
御影に行けるけど葺合に下げて第一軍で合格
まず葺合の合格者の中でも一番優秀なのがこの層です。
レベル的には御影高校に受かるぐらいの学力と内申を有しているタイプです。でも、高校でゴリゴリ勉強したいわけでもないので「葺合でいっか」と楽々合格するタイプです。
学力的には、定期テストで400点に近い点数を取ってくる子です。副教科の内申点が極めて安定的で、全て4か教科によっては複数個は5を付ける傾向です。
兵庫式で内申点を計算すると210点以上とかの子が多く、220点ぐらいまで内申を稼いでいる子も数名います。ここまで来ると葺合合格はかなり手堅く、当日インフルにでもならなければほぼ確実に受かるでしょう。
兵庫県は内申ゲーなので、偏差値60ぐらいまでの高校はモロに内申点の高さが合否に影響を与えまくります。
なお、ここで挙げているような生徒は体感的には葺合合格者の中でも20%〜30%はいないような気がします。そもそも御影を受けても全然勝負ができる子なので、葺合愛が強い感じの子が余裕を持って合格するパターンだと思って欲しいです。
家が近くて御影まで電車で行くのがめんどくさいという理由で葺合に下げる子もいます。この層は実力があるので選び放題です。この層が塾に来てくれると、その年のその子の指導はまあ楽です。
内申点が200以上で順当合格:ボリュームゾーン
次い、葺合高校に順当に合格する子達です。一般的にここがボリュームゾーンになります。
まず内申点ベースで見ると、葺合合格の目安内申はオール4です。兵庫県式で計算すると200点が葺合順当合格の水準です。内申点的にはこれで十分合格水準で、あとはペーパーテストでよほどひどくミスしなければいけます。
ただし第一軍で210点とか220点とか取ってる子が、本番で20点〜40点分余分に落とせるのに対し、この層はそこまで余裕があるわけでもありません。学力的には葺合合格者の平均的な水準(320点〜330点ぐらい)は取れるように準備させておく必要があるでしょう。
手前味噌ですが、この層は塾通いが極めて重要です。独学だと受験対策が厳しいので、最後の半年だけでも兵庫県の受験対策に詳しい所に塾通いさせてあげてください。
ちなみにこのタイプは、普段の定期テストで350点〜380点ぐらいの得点になることが多いです。このぐらいの得点が取れる子で大体学年の上位25%以上のイメージです。
地頭的にも普段の授業でつまづくことはそこまで多くありません。導入レベルの授業であれば、しっかり指導すればぐんぐん成績が伸びてくるタイプです。最上位層に比べるとワンランク地頭水準は下がりますが、指導で困ることは全くありません。ただし、神戸や御影を目指す子ほどストイックに勉強をしている感じでもないです。
しかし、理解力・記憶力ともに普通以上の水準にある子達なので、勤勉性さえ担保していればそのまま葺合合格です。この層は本当に女子生徒が多いイメージです。
チャレンジ滑り込み合格枠:再現性はない
正直、葺合ぐらいの高校は極めて順当合格者が多い印象です。
そもそも御影や星稜などから下げれば楽勝で受かる層が、合格者の椅子の一定の枠を奪います。それに追随する形で、内申200〜210ぐらいの子が順番に合格者の椅子を奪うイメージです。
逆に内申点200の壁を越えられないと、葺合がチャレンジになってきます。だから、あえてリスクを冒さず、県芦などをアンパイで合格しようと戦略を変えてきます。内申180ぐらいの子も手堅く六アイでいいと思い、最後の最後に志望校を下げます。
なのでイメージ的には、内申点185以上で何が何でも葺合に行きたいって願う子が最後の残りわずかの椅子を狙って戦いに参入するイメージです。
ただし、この内申点で逆転合格できる生徒のパターンはほぼ決まっています。
まず大前提、どういう経緯で内申点が200を割り込んだのか?ということです。内申点が200を割り込む時は、①順当に割り込んでいるタイプと②点数はいいけど提出物などで終わったタイプ、③主教科はいいけど副教科だけ悪いタイプ、などに分かれます。
このうち、順当に200を割り込む①タイプの逆転はまあ難しい。そもそも内申点で稼ぎ切って逃げないといけない子なのに、それができなかったということです。つまりこの時点で志望校ランクは県芦か六アイです。背伸びしても受からない確率の方が高い層です。
しかし、②や③のタイプは本番逆転の見込みがまだ残っています。特に副教科のせいで200点の内申水準に行かなかっただけで、主教科では4と5が並んでいるのであればペーパーテストの点数も期待できます。
特に兵庫は英語と社会で高得点が取りやすいです。英社が得意で点数の積み上げができ、数学や理科で酷い点数を取らないのであれば、本番で残りわずかな椅子をもぎ取ることが可能です。しかし逆に言えば、そのようなパターンにハマれない子の逆転は厳しいです。特に英語と社会で高得点が積めないタイプは受かりずらさMAXです。
高校受験は英語ができるかどうかでまず志望校選択の最低ラインが決まり、数学力で上位校に行けるかどうかが決まるものです。
これらを踏まえて、ここで挙げた勝利条件が満たせる子が逆転するだけです。あとは最初に紹介した2パターンの生徒が順当に受かるだけなのが葺合受験の全体像です。
なお、兵庫県の第一学区であれば、おおよそ以下の記事で分類したパターンに照らし合わせれば、子供の進学先がどうなるのかは読めます。
葺合高校に合格しないパターンの生徒:毎年のあるある
ここまでは、葺合に受かっていくタイプのパターンを紹介しました。
ここからは、葺合に届かないタイプの生徒(言葉は悪いけど行けると勘違いしている生徒)の特徴も正直にお伝えします。毎年のように、明らかに行けるわけもないのに葺合をなんちゃって第一志望にして撃沈している生徒も見ています。
なので、成功事例よりも失敗している事例の方がよほど参考になると思います。特に保護者さんは、どのタイプが結局葺合に行けずに終わる傾向にあるのかを知っておきましょう。
通知表で3と4が半々ポツポツの生徒
正直なところ、葺合に惜しいようで惜しくないのがこのレンジの生徒です。
要するに兵庫式で内申点を換算すると170点とか180点とかで止まってしまう系の生徒で、オール4まであと少しのように見えて全然あと少しじゃない系の生徒たちです。そもそも3と4の間には壁があるというのは以下の記事でも解説している通りです。
この層は順当に行けば県芦か六アイに着地します。しかし、中3の途中までは葺合か御影などを第一志望と言います。自分は頑張ればそのくらいなら行けると勘違いしています。
正確に言えば確かに頑張れば行けますよ。でも、頑張るの定義が120%ぐらいの力で頑張ればなのに対し、この層は70%の頑張りで何とかなると鷹を括ります。そして、実際は50%ぐらいの力でしか頑張りません。
で、中3の1学期で内申点200に明らかに届いていない現実を叩きつけられます。そして、中3の二学期で急に焦り出すでがお約束の流れです。しかし根本的に怠慢な場合はそう簡単に人は変わらず、先生の今までの印象などもひっくり返せません。
よって、1学期の内申から数ポイントしか上がらず、御影や葺合を断念します。結局は県芦や六アイを受け、中堅校には順当に受かるというのがお約束の流れです。
話は脱線しますが、六アイや県芦を受ける生徒の中ではこの葺合断念組が最上位のカーストです。だから、六アイ受験生の王道を行く生徒は、この子達とも戦うことになります。なお、このレンジの生徒がなんだかんだで一番まずいことは以下の記事でも詳しく解説しています。
そもそも六アイレベルなのにとりあえず葺合第一志望系
この層は正直、3と4が半々の生徒と重なる部分があります。しかし、3と4がポツポツする子の中でも、地頭的は下の方に位置します。
ぶっちゃけ、3と4がポツポツの通知表の生徒はランクが2つあります。1つは、「①勤勉性さえ担保していれば葺合や御影も行けたであろう生徒」です。もう1つは、「②勤勉性が多少あっても、地頭レベルでワンランク下がるから六アイや県芦が上限になる生徒」です。
ここでは、「②勤勉性が多少あっても、地頭レベルでワンランク下がるから六アイや県芦が上限になる生徒」の話をしています。
このタイプは、普段の定期テストでも大体300点〜330点ぐらいをなかなか抜けられません。平均点が高いテストだとワンチャン越せるかな?って感じで、350点以上が厳しい傾向にあります。
この層は、六アイが順当合格になるような子です。内申点がいい場合だと一つ上げて県芦に持っていけます。だからそもそも、葺合までの距離が遠いです。
しかし本人もしくは保護者にその自覚がありません。そして、葺合にチャンスがあると夢を見続けます。で、案の定2学期の面談で現実を突きつけられて、当初のレンジ通り六アイを受けることになるケースが多いです。
これを何回見たことか….
我々塾講師や学校の先生は長年の経験でこうなることは分かっているのですが、当の本人だけ分かっていないケースです。しかし今の時代ははっきり物申すとクレームが来ます。だから、学校も塾もあまり本当のことが言えません。そういう世の中にしたのは紛れもなく今の保護者世代です。
本当はもっと早く現実突きつけたら本気になったかもしれない子もいたでしょう。でも、一部のクレーマー達に気を遣うせいで、そういう子が救えない世の中になってしまいました。
六アイすら怪しいのに葺合を第一志望と言い張る系
最後は論外パターン。
ここは言い方厳しいですが、現実なのでしっかり伝えます。
中3になると、そもそも六アイにすら届くか怪しいにも関わらず、なぜか葺合に本気で行けると思っている系が出ます。この層は根本的に兵庫県の受験の勝利パターンが分かっていません。だから、明らかに現実離れした目標を口にしてしまうという特徴もあります。
この層のイメージは、定期テストの点数で300点行くか・行かないか見たいなイメージです。テスト250点とかで葺合を口にする子も稀にいますが、あまりに現実離れしすぎていて開いた口が塞がらないです。
このぐらいの点数の子は、ちょうど平均かちょい上かレベルです。点数的には六アイがギリ厳しいです。逆転できるとしたら副教科の内申点で4が最低でも2個以上並ぶとかないと無理です。
だからそもそも、何とかして六アイに滑り込めるかどうかで苦労するレベルの子です。にも関わらず葺合を口にしているわけですから、全くもって話になりません。

もちろん、志望校を口にするのは自由です。でも、現状の立ち位置と志望校の距離を分からずとりあえず葺合と口にするのは思考停止しすぎです。せめて色々調べて壁の分厚さを分かった上で志望校を口にすべきだと断罪します。
そしてもっとキツく言えば、その程度のことすら調べずに志望校をフワッと口にするあたりがこの層の甘さです。そういう事前リサーチ力の無さみたいなものが、やっぱり学業成績とも相関関係があると自分は確信しています。
なお、こんなことを中3で言われたら終わりです。中1や中2ならまだ間に合うかもしれませんが、今の120%の力では押さないとここまでサボったツケは返せないと思ってください。そこまで甘い戦いじゃないので舐めんなってことは強調します。
総括:葺合高校に合格する生徒のリアルまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
■ 葺合高校の基本情報
- 第一学区の人気校で偏差値は約60
- 中1の保護者の半数以上が志望するが、8割以上は不合格になる
■ 合格する生徒のタイプ3つ
- 御影に行けるレベルで葺合を“下げて”受けるタイプ(最上位層)
- 定期テスト380点以上、内申210〜220点以上
- 合格は余裕。インフルでもない限り落ちない
- 内申200点前後で順当に合格するボリューム層
- 定期テスト350〜380点、平均的な理解力と勤勉さがある
- 女子が多く、男子は御影や神戸に進むか下に落ちる傾向
- チャレンジ滑り込み合格タイプ(例外的)
- 内申185〜199点くらいでも、主教科の実力と英社の高得点でワンチャンあり
- 副教科が足を引っ張っているパターンなら逆転可能性あり
■ 不合格になるパターン
- 通知表で3と4が半々の“惜しいようで惜しくない”タイプ
- 内申170〜180点、オール4に届かない
- 最終的に県芦や六アイに着地するパターンが多い
- 六アイレベルなのに葺合志望を言い張る層
- 定期テスト320〜350点程度で伸び悩む
- 葺合との距離を理解しておらず、現実を突きつけられて志望校を下げる
- 六アイすら怪しいのに葺合志望と言う“論外”タイプ
- 定期テスト300点前後、地頭・努力ともに不足
- 受験システムの理解も乏しく、受験の厳しさを分かっていない
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