もし我が子が中学受験をさせず、高校受験をする道を選ばせるとします。
こうなった時、「高校受験に向け小学生のうちにしておくこと」は一体何なのでしょうか?親として考えませんか?
本記事では、公立高校専門指導塾の塾長目線で「高校受験に向けて小学生のうちにしておくこと一覧」をお伝えします。
現場で公立高校受験の指導をしていて、「小学生のうちにせめてこれしといて欲しい!」と感じる本音を正直にぶちまけます。綺麗事など一切言いませんので、トゲのある内容になっています。しかしその分、有用な情報を包み隠さずお届けします。
※全保護者さんに読んで欲しい「勉強法や子育て本のおすすめ」を以下の記事で紹介中。Kindle Unlimitedを使うと全て”無料”で読むことができます。
高校受験に向け小学生のうちにしておくこと:勉強面
高校受験に向けて小学生のうちにしておくことのうち、まずは一番気になるであろう「勉強面」について解説します。
正直、こういう内容は分かっていないと高校受験は厳しいよ…って部分はあります。ここではまず、アカデミックな領域(5教科)の中で小学校のうちに絶対に清算しておいて欲しいことをお伝えします。
※以下のことが分かっていないと、塾などに通っても成績向上が見込めないケースが極めて多いからです。
とにかく「計算力」を身につけさせて
塾の立場から、中学生で塾に来る子に「頼むからこれだけは出来て」とお願いしたくなる能力があります。
その筆頭が「計算力」です。
計算力と言っても、特に難しい計算を求めているわけではありません。四則演算、通分、約分など教科書レベルの基礎計算です。
そんなことぐらいうちの子できてると思うけど?と舐めないでください。
この記事を読んでいる方のお子さんの9割ぐらいはできていない。少なくとも、自分の求めている水準から見ると1割ぐらいの子しか満足に計算ができないのが昨今の小学生の生態系です。
例えば、こういう計算。
4+3×(2+5)
これって、先に( )の中を計算し、その後は掛け算を優先して計算しないといけないですよね?
でも、9割ぐらいの子は先頭の4+3を先に計算しますよ。
こんな簡単な四則演算のルールすら守れない子に、中学の数学なんて教えられない。文章題なんてそのまた先の夢。でも、高校受験は文章題ばかり。そうです、詰むんです。
他にも、約分が出来ない子や、通分が非常に遅い子も多いです。中学内容をいかに丁寧に教えても、計算で莫大な時間を食って授業が先に進まないことも珍しくないです。
計算は特訓すれば誰でも出来るようになります。学校で配布されている計算ドリルでいいです。とにかく反復してやらせまくってください。これは親の責任でやって欲しい内容です。
小5算数が命:「単位量あたりの大きさ・速さ・割合」で差がつく
小学校の算数で一番大事なのは何?
これを聞かれた塾講師は全員例外なく「小5算数」と言うでしょう。小6算数ではなく小5の算数です。
塾講師の本音を言うと、小6は塾なしでも構わないけど、マジで小5だけは塾に来てほしい。そのくらい、小5算数の出来不出来が、中学校の勉強に与えるインパクトが大きいのです。
小5算数には、「単位量あたりの大きさ・速さ・割合」という超重要論点がてんこ盛りになっています。この考え方は、中学数学の文章題を解く上で、決して理解からは逃げられません。
また、中学の理科にも大きな影響があるのが特徴です。例えば速さの計算は、中1理科の地震の速度の計算でも使います。割合の問題も、中1理科で濃度を求める計算で使います。
中学で理科を苦手とする生徒は非常に多いのですが、そもそも小5の算数ができていない所に原因があることがほとんどです。
なお、これら単元だけでもいいので、絞って問題演習してください。速さや割合をメインにした問題集でめちゃくちゃおすすめできるのが以下のテキストです。
この小5のテキストに、中学数学や理科を解くために欠かせない知識が全て凝縮されていると言っても過言ではありません。塾屋としては、小学校の問題集の中で最もおすすめする1冊です。
小6からは英単語&英文法の予習を始めるべし
基本的に、小学校の間に予習をすることには懐疑的な考え方を持っています。
が、しかし、英語だけはマジで例外!
昨今の公立中学校では、「中1英語クラッシュ」と呼ばれる現象が起こっています。中1から早々にして英語で死人が出る現象。英語だけ平均点が40点で、3人に1人が30点以下になったりしています。
その理由は、「小学校でこのくらいやったよね」の基準と、実際の小学生の英語の定着率に恐ろしい乖離があるから。
見る人が見たら教科書のヤバさに気付きますが、中1の最初のレッスンにはbe動詞と一般動詞を完全ごちゃ混ぜにしてます。英語初学者って、普通はbe動詞を学び、その後一般受験を学び…と段階を踏みます。でも、そんなことはもうしてくれない。小学校でやったでしょ?のノリで授業が進む。
しかし、実態として小学校で誰も英語をガチってないので、テストの点数は完全に死去します。これが全国の中学校1年生で起こっている現象です。
ただ、この程度のことは、小6で英文法の基礎さえやらせておけば、大抵の生徒は回避できます。要するに、時間的な問題が大きいのです。
あとは、英単語をいかに小学生の段階でストックさせておくか。
塾の現場で思うのは、同じ小6生でも、英単語のストック量に差が開き過ぎています。元々の地頭もあるのでしょうが、聞いてみると「進研ゼミで英語だけはやってる」みたいな子がそうだったりします。
こう考えると、英語は早く始めた人に明らかに有利だということ。中1からだと遅いよな…と思ってしまうわけです。
なお、塾講師として小学生の予習でおすすめしたいのが以下の2冊。
まずは単語帳。
この単語帳は本当に神作品です。
これは学習塾の先生方が開発した英単語帳です。現場で指導していて、「小学生にこんな風に英単語を覚えてほしいな」を形にしている一冊です。
教務に詳しい塾人が作っているので、一般的な出版社の単語帳よりも質が本当に高い。ここ数年で出てきた小学生用の英単語帳でこれを超えるものって多分ないです。ガチでおすすめです。
次に英文法ですが、とにかく薄くて簡単で、中1範囲を網羅しているものがいいです。中2英語の余裕とかは流石にいらないです。
だから、中1用で一番優しい教材が一番おすすめ。小学生にはそのくらいがちょうどいい。学研の「ひとつひとつ分かりやすく」は自塾でも採用しています。
社会の一般常識・感覚を養わせてください
中学準備という観点で、塾として本当にお願いしたいのが「社会の一般常識」です。
正直、社会に関する知識が、生徒ごとに差がありすぎです。
例えば47都道府県。これ、全部言える子もいれば、全く言えない子もいますよね。それどころか、自分が住んでいる地域の県庁所在地すら言えない子もいます。神戸市と明石市が別物であることを分かっていない子もいました。
このレベルの子は、中1で地理の教科書を読んでも何も分からないでしょうね。概念を理解する上で必要な最低限の知識がないのですから。だから、一生懸命教えてもあまり成績は上がりません。
また、歴史もマジで差がある印象です。
聖武天皇も天武天皇も桓武天皇も同じ人物だと思っていた子もいました。聖徳太子が中国を滅ぼしたと思っていた子もいたな。(いきなり歴史変わってまうやんけ。笑)
もうね、歴史の一般感覚が抜けまくってる子が量産されてるんですよ…
この状態で中学の歴史ワークなどを暗記させても、当然覚えられない。覚えたとしても、用語の意味や繋がりを整理して暗記するなんて出来るわけがない。
全ての原因は、最低ラインの常識が欠けているからです。
親御さんはお子さんと歴史や地理の対話をもっとしてあげてください。子供がとんでもない状況だ…と気付く人も少なくありません。親に知識がないなら、一緒に勉強してください。
歴史は「漫画」もあるので、一緒に読んで、親子でクイズ出し合ったりしてください。
日本の歴史でおすすめの漫画は、「小学館版 学習まんが日本の歴史」です。個人的には、いろんな会社を読み比べて一番読みやすいかな?と思います。小学館はコナンとかを出している出版社です。
世界の歴史シリーズだと、「集英社版 学習まんが 世界の歴史」がダントツでいい。集英社はジャンプなどを発行している会社で、漫画に特化しています。だから、絵のクオリティも非常に高く、世界の歴史シリーズだと断トツでいいです。
高校受験に向け小学生のうちにしておくこと:勉強以外
次に、勉強のアカデミックな部分以外で、高校受験に向けて親御さんがすべきことをお伝えします。
ここからはシビアな話もしますので、読みたくない・反論があるという場合は即時ブラウザバックしてください。
一番大事なこと:子供の前提条件(期待値)を正しく把握すること
まず、塾屋としてはあるまじき発言なのですが、真実なのでハッキリ言います。
どれだけ勉強論を研究しようが、どれだけ早め早めに手を打とうが、勉強の成果なんてものは本人の素質が一番重要です。別の言い方をすれば、向き不向き。生物学的な観点から言えば「遺伝要因」ということです。
何名も子供を見ているので分かりますが、同年代でも子供の地頭には恐ろしいぐらい差があります。
そして、地頭のセットポイントによって、勉強の期待値は概ね決定されてしまいます。
だからこそ、親御さんが最初にすべきは子供の地頭のセットポイントを知ることです。セットポイントごとに概ね伸び代は決まっていて、それを超えた希望を持とうとも、基本的には叶いません。
子供の地頭に関しては、以下の記事でおおよそ解説しています。兵庫県の事例で紹介していますが、どの県の人が見てもイメージは湧くと思います。
親御さんのNG行為として一番指摘したいのは、「子供の能力を飛び越えた機体をすること」です。
これは、誰も幸せになりません。
子供は明らかにオーバーワークをさせられます。頑張っても認めてもらえず疲弊します。塾も無理難題を押し付けられ、正直うんざりしています。そして、親であるあなたもまた、望みが叶わずイライラして疲弊します。
この問題の根っこにあるのは、「子供の能力と親の希望の明らかなる乖離」です。この差が差が開けば開くほど、あなたは苦しくなります。ひどい場合は毒親となるでしょう。
小学校から塾に通わせる本当のメリット
親御さんは、できれば小学校のうちから塾に通わせてください。
勉強を得意にするためではありません。子供の地頭を把握するためにです。
生徒には、「やればできる子」「やってもできない子」というのはどうしても存在します。残酷な現実ですが、「やってもできない子」の塾通いは成績面だけで評価すればお金の無駄ということになります。
また、「やればできる子」の中でも、どのくらいまでできるのか?という階層があります。全員やれば東大に行ける!とはならないので、当然と言えば当然。
要するに、保護者は小学生の段階で子供がどのレンジにいるのかを把握しておいて欲しいのです。
小学校の勉強はまだ簡単なので、教育投資の費用対効果が推測しやすいです。小学校の段階で塾に通わせても全然勉強が出来るようにならないとなれば、中学校でも多分できません。
この場合は、それに早く気づけてラッキーと思うしかない。少なくとも、勉強をさせても期待値が決して高くないのなら、他のことに時間やお金をかけた方がプラスになるってことは分かるはず。
辛いと感じる人も多いけど、これをせずに中学に入って焦って動く親が多すぎます。
体験格差を少しでも埋めてあげて
現場で塾をやっていると、小学生の子供の一般常識にも明らかに差があると感じます。そして、その知識の差はそのまま学力差に繋がっている傾向を感じずにはいられません。
例えば、全国いろんな所に旅行したことがあって、各県の名産や地名などをたくさん知っている子もいます。その一方、県外に出たことすらない子だって少なくない…
親の価値観や経済力の影響をモロに受けているだけあって、「親ガチャ」という概念の存在は確かにあると思ってしまいます。
言葉のストック量だってそうです。
賢い保護者の子供は、親から賢い言葉を聞いて育つから、やっぱり語彙力が高い傾向にあります。これは毎日の積み重ねだから、小学校高学年ともなると、まあ恐ろしい差です。
子供は親を選べない残酷さが、こういう所に現れまくっていると全国の塾講師は全員感じています。言えないだけで。
子供を少しでも賢くしたいなら、親はこの体験格差を少しでも埋めるように努力していくしかありません。
「漫画」を読ませなさい
正直なところ、経済力や親の賢さみたいなものはもう動かせないです。
では、そんな親ガチャに抗うためにどうする?
自分のおすすめは「漫画」を読ませること。
これが一番の対策になると思います。
漫画は最強の教育ツールです。たくさんの言葉が散りばめられており、語彙力が自然と身に付きます。活字嫌いでも、絵があったら抵抗なく文字に触れることもできます。
そして何より、漫画は面白い。だから没頭できる。集中力もつく。
正直、自分は小学校の時に対して勉強してません。でも、中学では学年トップだったし、現役で神戸大までは合格できている。地頭がいいとかはあるかもしれないけど、語彙力の大半は漫画から吸収しているのは間違えない。
ジャンプ全盛期ということもあり、「ワンピース」「ナルト」「BLEACH」あたりの名作は全部読んでいます。他にも、「テニスの王子様」「ヒカルの碁」「アイシールド21」「リボーン」「デスノート」などなど。(※ちなみに、今の漫画もほぼ全部読破しています。笑)
ワンピースとか、全世界を航海する系だから、普通に世界地理の知識つきますよね。ウォーターセブンはイタリアのヴェネチアだし、ドレスローザはローマです。
結局、言葉って日々の積み重ねです。
あとは何から吸収するかって話なんだけど、今の子供達はショート動画ばかり見てますよ。あれは文字じゃない。だから文字に弱い。ペーパーテストは全部文字だよ。
と考えた時、いきなり小説とか国語の読解なんてやらせてもコケるので、漫画読ませまくって知識蓄えさせた方がよほど中学に活きると思います。漫画代をケチるなんて親失格だろと思います。(思想強めです。)
最近だと、「ブルーロック」「呪術廻戦」「推しの子」とかは読み応えあっていいですね。
総括:高校受験に向け小学生のうちにしておくことまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
子供の能力を正しく把握する
- 子供の地頭(素質)を理解し、無理な期待をしないことが重要。
- 地頭に応じた現実的な目標を立てるべき。
小学校の段階で塾に通わせる
- 勉強の成果を出すためというより、子供の学力や地頭を把握するため。
- 小学校で塾に通っても成果が出ない場合、中学での成績向上も難しい可能性が高い。
体験格差を埋める
- 旅行や多様な経験を通じて知識や常識を養う。
- 親の語彙力や会話の質も、子供の語彙力に影響を与える。
漫画を積極的に読ませる
- 語彙力や読解力が自然と身につく。
- 面白さによる没頭が集中力や知識の吸収につながる。
- 最近のおすすめ漫画:「ブルーロック」「呪術廻戦」「推しの子」など。
親のNG行動
- 子供の能力を超えた無理な期待をする。
- 無理に勉強させることで親子共に疲弊するリスクがある。
言葉や知識のストックを増やす努力
- 子供と歴史や地理について対話する機会を増やす。
- 本や漫画など文字に触れる時間を意識的に確保する。
※全保護者さんに読んで欲しい「勉強法や子育て本のおすすめ」を以下の記事で紹介中。Kindle Unlimitedを使うと全て”無料”で読むことができます。
※学習塾に通っていない場合は、塾用教材を使って勉強するのが効率的です。市販教材に比べて圧倒的に質が高くコスパもいいです。学習塾の先生の要望に応えた教材で、痒い所に手が届く良書ばかりです。本屋では買えないですが、Amazonなら購入可能なので、以下におすすめ教材をまとめておきます。
※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
※高校受験おすすめコラムは以下の通りです。
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