定期テストで300点ぐらいの点数がある場合、高校はどのレベルの偏差値になるのでしょうか?
中学校の定期テストで、5教科合計で300点を目指す生徒は多いです。ただ、300点程度の得点を取る場合、どのくらいのレベルの高校に進学できるのかを分かっている子は少ないでしょう。
正直、保護者の方も定期テスト300点のレベル感について、いまいちピンと来ていない人も多いのではないかと思います。
そこで本記事では、定期テスト300点で実際に行ける高校偏差値ランクについて解説していきます。
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定期テスト300点で行ける高校の偏差値レベル
では早速、定期テスト300点のレベル感について解説します。定期テストで300点ぐらいの生徒は、どのレベル感の高校に進学することが多いのかを、体験談も踏まえて紹介していきます。
定期テスト300点の生徒の学力レベル:偏差値50程度
まず最初に、学校の定期テストで300点ぐらいを取る生徒の学力レベルについて。
そもそも、中学校の5教科の平均点によって評価が異なります。ただ、今の時代だと、5教科平均は250点〜300点ぐらいであることが多いです。
そこで、平均点別で5教科300点の生徒のおおよその偏差値を見ていきましょう。大体、以下のような水準です。
・平均点250点のテスト:偏差値55程度
・平均点280点のテスト:偏差値52程度
・平均点300点のテスト:偏差値50程度
平均別に分けて考えると、5教科で合計300点ぐらいの生徒の偏差値は上記のようになります。そのため、進学できそうな高校の偏差値も同じようになります。
※なお、後述しますが、高校受験にはここに「内申点」という変数が加わるので、それも合わせて志望校の目安を考えなければいけません。
自塾のエリアにおける5教科300点の生徒の進学先レベル
自塾は、神戸市で塾を運営しています。
参考までに、この辺りのエリアの情報を紹介していきます。
正直、この辺りのエリアであれば、5教科300点で受験できる高校の限界ラインは「偏差値53程度」だと思います。兵庫県の場合は内心比重が大きいので、5教科以外の副教科の内申点によって行ける進学先はガラッと変わりますが…
ただ、内申点を稼げるとしても、オール4の内申水準になるわけもないです。よって、MAXで狙える高校ランクを見ても偏差値53程度が限界だと思います。
5教科300点で内申点が低い場合
5教科300点というのは、本当に絶妙な水準です。というより、問題なのは「どうやって300点を取ったのか」です。
例えば、すべての教科が60点で合計300点だった場合、これが一番まずいです。なぜなら、内申点がつかないからです。
テストで60点の場合、おそらく評定は「3」です。そうなると、5教科全部の評定が3ってケースになります。仮に副教科にも内申点がつかないとなると、全教科オール3になってしまいます。
もし全教科オール3であれば、偏差値50以下の高校しか行けるところはなくなる可能性が極めて高いです。このことは、以下の記事でも解説しています。
正直なところ、5教科300点というのは学力的に見ても、低い方って感じです。
ギリギリ200点台を回避しているか、今回たまたま300点ぐらいって場合はなおさらそう。この場合は、下位層なので偏差値40台の高校しか選択肢はありません。
偏差値50台の高校でも逆転合格を狙うことになる
ちなみに、仮にオール3ではないとしても、偏差値50台の高校を受験するのはかなりハードになると思った方がいいです。おそらく、内申点でも主教科に4が1つつくかつかないかでしょう。
あとは副教科がどれだけ取れるのかって話なのですが、副教科の内申がスカスカであれば、偏差値50台の高校はかなり厳しいというのが現実です。
この場合、副教科に4が2個以上はついていないと、結局オール3の内申の子と対して変わらないってことになってしまいます。結局のところ、中堅校の高校受験は内申ゲーなので、4がどれだけ取れていたのかがほぼすべてです。
そのため、300点という点数の絶対値を見るより、内申点のポイントを見てあげてください。
定期テスト300点で行ける高校に進学する生徒の特徴
ここまでは、定期テスト300点で行ける高校のランク(偏差値)についてお伝えしてきました。
ここからは、定期テスト300点になるタイプの生徒の特徴をお伝えします。
余力を残して5教科300点を取るタイプ
定期テスト300点ぐらいになると、手を抜いて300点ぐらいって子は割といます。
そもそもの勉強時間が少なすぎたり、暗記などにストイックになっていなかったりしている子も実際います。あとは、個別指導に通っていて、理科社会などを受講しておらず独学で適当に勉強しているって子もいます。
正直、このタイプはまだまだ上げ余地があります。
本気で厳しい塾に転塾し、心を入れ替えれば中2の2学期までぐらいならまだなんとかなるケースも少なくないです。この層は、本当にあと少し頑張れば、内申点で4がつけられる教科が一気に増えます。そうなれば、公立高校の中でも選べる高校の選択肢がグッと増えます。
本当に勿体無いので、親御さんは何かしら動いてあげるといいと思います。まだ可能性はあります。
結構頑張って300点ぐらいの子
定期テストで300点というのは、勉強があまり得意ではない子でも、塾などで長時間拘束すれば何とか到達できる点数レンジです。
※普段の定期テストで250点以下の子だと厳しい子もいますが、250点ぐらいの子であれば勉強時間を増やせば300点はいきます。
ただ、そもそも学習塾などで長時間拘束して勉強させているのに300点ぐらいで点数が伸び止まってしまう子も結構います。この場合は、正直これ以上の点数アップが見込めない可能性も高いです。
かなり多くの時間を突っ込んで300点だったわけで、これ以上はあまり打つ手がないわけです。学年が上がるにつれて難易度も上がるので、今まで以上に点数キープすら厳しくなる子とも言えます。
もちろん、方法論を変えることで上がる可能性を見出したいと思う親御さんの気持ちも分かります。しかし、勉強の方法論なんてそこまで目新しいものがあるわけでもないです。概念を理解し、覚えることを覚え、理解すること理解するだけ。そのために、勉強時間を増やしたり、塾で暗記テストを繰り返すのです。
でも、そこまでやっても300点程度で止まる子も実際大勢います。
本人の処理スペック(読解力・理解力・記憶力)では、限られた時間内に出せる成果の限界がそのあたりにあるのでしょう。
ここまでくると、親御さんはある程度は限界値を受け入れ、受験校に関しても妥協?する必要も出てきます。
この層の保護者さんは本当に悩まれている方も多く、塾を転々としている方が非常に多いです。ただ、問題解決は外部ではなく内部(子供の能力の限界値に対する受け入れの問題)であることが非常に多いです。
このことは、以下の記事でも解説している通りです。
※なお、中学生の通知表の成績に対する塾講師の忖度ない本音の厳しい評価は以下のとおりです。本当のことしか書いていないので、心臓の悪い方は読まないでください。
総括:定期テスト300点で行ける高校の偏差値レベルまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
定期テスト300点で行ける高校の偏差値レベル
- 学力レベルと偏差値:
- 平均点250点のテスト:偏差値55程度。
- 平均点280点のテスト:偏差値52程度。
- 平均点300点のテスト:偏差値50程度。
- 進学可能な高校のレベル(神戸市の例):
- 最高で偏差値53程度の高校が目安。
- 内申点次第で進学先が大きく変動。
内申点の影響
- 内申点が低い場合:
- 5教科すべて60点(評定「3」)だと全教科オール3になり、偏差値50以下の高校が限界。
- 副教科の内申が重要な役割を果たす。
- 偏差値50台の高校受験の難易度:
- 主教科に「4」が1つ、または副教科に「4」が2つ以上必要。
- 中堅校の受験は「内申点ゲーム」ともいえる。
定期テスト300点の生徒の特徴
- 余力を残して300点のタイプ:
- 勉強時間が少なく、暗記が十分でないケース。
- ポテンシャルを秘めており、努力次第で伸びる可能性が大きい。
- 努力して300点のタイプ:
- 勉強時間をかなり費やして300点に到達。
- これ以上の点数アップが難しい可能性がある。
保護者への提言
- 子どもの「処理スペック」や学力の限界を冷静に見極める。
- 塾の転々とした変更でなく、現実を受け入れた進学先選びが重要。
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※中学生向きコラムおすすめ関連記事は以下の通りです。
・期末テストは何点取ればいい?中1中2中3の偏差値別得点目安
・定期テスト300点で行ける高校の偏差値レベル!現実を本音で解説
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