今回は「大正時代の文化」について、テストに出るポイントや大衆文化の特徴を、子どもでも分かるようにやさしく解説します。

大正時代(1912年〜1926年)は、わずか15年の短い時代ですが、日本の文化がぐんと広がった時期でした。読み物や映画、音楽、洋服などが「一部の人のもの」から「みんなのもの」へと変わっていったのです。

この記事では、そんな大正時代の文化をジャンル別に一覧でまとめ、特徴や有名な作家、芸術家などをくわしく紹介していきます。テスト対策にもばっちりです!

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大正時代の文化とは?特徴と一覧表でまるっと解説

大正時代は、たった15年の短い期間でありながら、新しい文化や価値観が広まりました。

特に、都市文化や大衆文化が爆発的に発展し、今でも多くの分野に影響を与えています。ここでは、大正時代の文化をわかりやすく解説し、重要なポイントを網羅します。これを読めば、大正時代の文化をしっかりと学べますよ!

大正時代の文化一覧表!頻出ジャンルをまとめ

まずは、大正時代の文化をジャンル別に一覧表で見てみましょう。テストにもよく出る内容を一目でチェックできます。

ジャンル内容の例特徴
文学白樺派、プロレタリア文学、探偵小説人道主義・労働問題などを描く
芸術竹久夢二の美人画、高畠華宵のモダン画ロマンチックで感情豊か
建築東京駅、文化住宅、大阪中之島図書館和と洋がまざったモダン建築
生活洋服、洋食、カフェ文化モボ・モガなど新しいライフスタイル
娯楽映画、浅草オペラ、レコード、ラジオ家庭でも楽しめる娯楽が登場

このように、大正時代はさまざまな分野で文化が花開いた時代でした。それぞれの分野でのポイントを、次の見出しからくわしく解説していきます!

特徴は「大衆化」と「モダン化」

大正時代の文化のいちばんの特徴は、「大衆化」と「モダン化(近代化)」です。

それまでの文化は、主にお金持ちや知識人のものでした。でも、大正時代になると、教育が広まり、新聞や雑誌がたくさん発行され、だれでも文化にふれられるようになったのです。

また、西洋の影響を受けて生活がぐんとおしゃれになりました。たとえば、女性は髪を短く切って洋服を着る「モガ(モダンガール)」、男性は「モボ(モダンボーイ)」と呼ばれ、町を歩いていたんですよ。

選挙制度も変わり、1925年には「普通選挙法」が成立して、25歳以上のすべての男性が投票できるようになりました。こうして政治だけでなく、文化も「みんなのもの」へと変わっていったのです。

文学まとめ:白樺派・プロレタリア文学・探偵小説

文学の世界でも大正時代は大きな変化がありました。

まず有名なのは「白樺派」です。これは、志賀直哉や武者小路実篤などが中心になって、人間らしさや理想を大切にする文学を書いたグループです。たとえば志賀直哉の『暗夜行路』などが有名です。

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次に「プロレタリア文学」というジャンルが登場しました。これは、労働者の生活の苦しさや社会の不公平をテーマにした文学で、小林多喜二の『蟹工船』が代表作です。

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そして忘れてはいけないのが「探偵小説」のはじまりです。江戸川乱歩が『二銭銅貨』などで人気となり、今のミステリー小説のもとになりました。

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このように、さまざまなジャンルの文学が生まれ、広く読まれるようになったのが大正時代の特徴です。

美術と建築の大正ロマン:竹久夢二や赤レンガ駅舎

大正ロマン」という言葉を聞いたことがありますか?

これは、大正時代に流行したロマンチックでモダンな芸術や建築を指します。特に人気だったのが、画家「竹久夢二」です。彼の描くやさしい雰囲気の美人画は、今でもファンが多いです。

建築では、1914年に完成した東京駅の赤レンガの駅舎が有名です。この建物は西洋風のデザインを取り入れながらも、日本の文化と見事に調和しています。また、「文化住宅」という新しいスタイルの住宅も登場しました。これは洋風の間取りやデザインを取り入れた家で、都市の中流家庭に人気となりました。

こうした芸術や建築を通して、大正時代の人びとは「新しさ」と「日本らしさ」をうまく組み合わせて楽しんでいたのです。

大正の娯楽文化まとめ!映画・オペラ・レコード・ラジオの登場

大正時代には、今につながるさまざまな娯楽文化が広がりました。

まずは「映画」。このころはまだ音のない「無声映画」が主流でしたが、活動弁士という人が映画に合わせてセリフを話してくれて、観客を楽しませていました。

また、「浅草オペラ」と呼ばれる日本独自のオペラも人気でした。浅草の劇場で、たくさんの人が歌や芝居を楽しんだのです。

さらに、「レコード」や「蓄音機(ちくおんき)」が家庭に広まり、家で音楽を聴けるようになりました。そして1925年には、日本で初めての「ラジオ放送」が始まりました。東京、大阪、名古屋の3都市で同時に放送されたのです。

このように、大正時代の娯楽は、「みんなで楽しむ」から「家でも楽しむ」へと変わっていきました。

大正時代の文化が広がった理由と影響

大正時代に生まれた文化は、どうしてこんなに多くの人に広がったのでしょうか?

この章では、文化が「みんなのもの」になっていった背景や、大正時代の文化がその後の昭和や現代にどう影響をあたえたかを見ていきます。今の私たちの暮らしや学校の授業にもつながっているので、しっかり押さえておきましょう!

なぜ大正文化は大衆化したのか?教育と識字率の向上がカギ

大正文化が「大衆化」、つまりみんなが楽しめる文化になった理由のひとつは、教育の普及です。

明治時代から進んできた義務教育により、大正時代のはじめには小学校の就学率がほぼ100%になりました。さらに、国民の識字率(文字の読み書きができる割合)も95%以上と、当時の世界でもトップクラス!

このおかげで、新聞や雑誌、小説などの読み物がどんどん読まれるようになりました。「円本(えんぼん)」と呼ばれる定価1円の本も大ヒットし、文学が広まりました。

読み書きができる人が増えると、情報も文化も多くの人に届くようになります。これが、大正文化が広がった大きな理由なんですね。

大正時代の生活の変化!洋服・洋食・カフェ文化の広がり

大正時代になると、生活スタイルも大きく変わりました。

それまで日本では「和服」「和食」があたりまえでしたが、大正時代から洋服や洋食がだんだん広まっていったのです。

特に都市部では、女性が袴(はかま)にブーツを合わせた「ハイカラ」なスタイルを楽しむようになり、「モガ(モダンガール)」と呼ばれました。男性は「モボ(モダンボーイ)」ですね。

また、洋食屋さんやカフェが登場し、街にはモダンな雰囲気が広がっていきました。「カフェー文化」ともいわれ、若者たちの憩いの場となりました。こうした生活の変化は、文化をより身近に、そして楽しいものへと変えていったのです。

大正デモクラシーと文化の関係!民本主義と自由な表現の時代

大正時代は「大正デモクラシー」という言葉で表されるように、自由や民主主義が広がった時代でもあります。政治に対して一般の人々が関心を持ち、「自分たちの意見を政治に反映させたい」と思うようになったのです。

1925年には「普通選挙法」が成立し、25歳以上のすべての男性が投票できるようになりました。これは日本の民主主義の大きな一歩です。また、女性の社会進出も進みました。平塚らいてうを中心とした「青鞜社(せいとうしゃ)」では、女性の権利や自由について議論され、雑誌で発信されました。

こうした「表現の自由」が文化の発展につながり、文学や芸術、雑誌などでさまざまな考えが発信されていったのです。

関東大震災が与えた文化的影響:生活様式の転換

1923年(大正12年)に起きた「関東大震災」は、東京や横浜を中心に多くの人の命を奪い、都市を破壊しました。ですがこの大震災は、生活様式や建築スタイルを大きく変えるきっかけにもなりました。

たとえば、地震のときに動きにくい着物を着ていた人が逃げ遅れたことが問題になり、それ以降は洋服の方が安全で便利だと考えられるようになったのです。これが、洋装が一般的になる大きな理由になりました。

また、焼けてしまった都市の再開発が進み、耐震性の高いモダンな建物や住宅が多く建てられました。こうして文化住宅やレンガ造りの駅舎など、現代につながる都市文化が形成されていきました。

昭和へどう受け継がれた?大正文化のその後と今の影響

大正時代の文化は、昭和時代や現代の私たちの暮らしにもたくさんの影響を残しています。たとえば、1924年に誕生した宝塚歌劇団は、今でも多くのファンに愛されているエンタメ文化の代表です。

また、新聞や雑誌、ラジオ放送といった「マスメディア」の土台は、この時代にできたものです。今のテレビやインターネットにつながる、情報の広がりのはじまりだったといえるでしょう。

岐阜県の「日本大正村」では、当時の建物や文化が今も大切に残されています。実際に町を歩くと、大正時代の空気を感じられますよ。大正時代の文化は、一瞬の輝きのように短いものでしたが、その影響はとても大きく、今の私たちの生活にも生き続けているのです。

総括:大正時代の文化一覧まとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

ジャンル内容の例特徴
文学白樺派、プロレタリア文学、探偵小説人道主義・労働問題などを描く
芸術竹久夢二の美人画、高畠華宵のモダン画ロマンチックで感情豊か
建築東京駅、文化住宅、大阪中之島図書館和と洋がまざったモダン建築
生活洋服、洋食、カフェ文化モボ・モガなど新しいライフスタイル
娯楽映画、浅草オペラ、レコード、ラジオ家庭でも楽しめる娯楽が登場