小学校の通知表で「よくできるがない子」「よくできるが少ない子」って正直どうなのでしょうか?
保護者様のなかには、小学校の成績を見てあまりによくできるが少ないと、これから先の学業が不安になる方も多いです。中学校で大丈夫?と。
結論、よくできるがない子・少ない子がやばいかどうかは状況次第だと言えます。中学校と違い、小学校の成績は正直当てになりません。それゆえ、どういう状態でその評価になったのか?という各論の問題になります。
本記事では、塾長の立場から小学校の成績でよくできるがない子の特徴をお伝えします。また、よくできるが少ないけど心配しなくてもいい子と心配すべき子の違いについても解説します。
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小学校通知表でよくできるがない・少ない状況をどう評価するか?
まず最初に、小学校通知表の仕組みを理解しましょう。
その上で、よくできるがない・よくできるが少ない状況をどう評価していくのかを客観的に捉えていく必要があります。
通知表の「よくできる」の基準
まず最初に、小学校の3段階評価の基準について改めて整理しましょう。小学校の通知表の場合、3段階評価には概ね以下のような意味があります。
・よくできる
→めあてに対して十分達成できている状況と判断されるもの
・できる
→めあてに対しておおむね達成できている状況と判断されるもの
・もう少し
→めあてに対して達成が不十分な状況と判断されるもの
これらは、神戸市のとある小学校でご家庭に配布された資料に明記されていた内容です。
参照:『あゆみ』の見方について
このフレーズを文字通り解釈すれば、よくできるとは「めあてに対して十分達成できている」ということになります。逆に言えば、よくできるがないのであれば、めあてに対して十分達成できていないということになります。
“めあて”が曖昧すぎて評価のしようがない
塾講師をしていても、小学校の成績というのは本当に「?」と思うことが多いです。
塾生で明らかに賢い子でも”よくできる”がついていない事があります。ぶっちゃけ、「この子でよくできるじゃなかったら、クラスの大半は全くできないのでは?」と感じたことは何度もあります。
まあ、ペーパーテストの点数だけで評価する仕組みではないのでしょうから、点数以外を総合的に判断してそういう成績になったのでしょう。
ただ、学校の定めている「めあて」が何か分からないので、反論のしようがありません。その先生の基準では十分に達成できていなかったってことなのでしょうが…
正直なところ、クソみたいな評価体制だと思います。笑
「よくできる」が取れる生徒の割合は20%程度と言われている
ちなみに、「よくできる」というのは、学年の中でどれくらいいるのでしょうか?
大体ですが、全体の約20%程度と言われることが多いです。
しかし、全国で見てもしっかりしたデータはないです。まして絶対評価ですから、地域や学校によってバラツキも絶対に出ているでしょう。
そのため、どこまで信じていい数字なのか自分たち塾講師でもよく分かりません。
「よくできる」を中学校の成績で換算し直した場合
仮に20%しか「よくできる」にならないのなら、よくできるが少なくても別にそれだけでやばいとはならないというのが一般的な分析だと思います。
そもそも、5段階評価の公立中学校の成績分布をご存知ですか?
中学校の5段階評価の割合って、大体以下のようになっています。
・評定5:全体の約12%
・評定4:全体の約24%
・評定3:全体の約47%
・評定2:全体の約14%
・評定1:全体の約4%
このデータから見れば、よくできるに相当する上位20%って、中学で言うと評定5の生徒と、評定4の中でも5に近いレベルの生徒ってことになります。
これって、結構賢い子の成績ですよ。中学校レベルで見れば偏差値63以上みたいな感じかな?と。
だから、「よくできる」がないからと言って、それだけで焦る必要はないです。数字だけで見れば、結構難易度高いと思います。
まあ、こんな風に中学校換算して比較する方法にどこまで意味があるのかは自分でもよく分かっていませんが。汗
※なお、中学生の通知表の成績に対する塾講師の忖度ない本音の厳しい評価は以下のとおりです。本当のことしか書いていないので、心臓の悪い方は読まないでください。
小学校通知表でよくできるがない子・少ない子の特徴
正直なところ、小学校の通知表の「よくできる」は曖昧すぎて、なんて評価していいのか我々も判断できません。ただ、現場の実態を見ていると、よくできるがない子や少ない子に関しては、ある程度共通項が見られるのも事実。
ここからは自分の感覚が大いに入った分析ですが、よくできるが少ない子の特徴について、主観的な意見をお聞きください。
テストの点数がいいわけではない生徒
「よくできる」がない・少ないと感じる生徒の特徴1つ目。
それは、ペーパーテストの点数が決していいわけではない生徒です。ポイントは、悪いわけではなく、決していいとは言えないと言うところ。
正直、小学校のテストって簡単すぎて差がつかないです。カラーテストだと平均点が80点ぐらいになっていて、得点差も極端に少ないです。だから、テストの点数が極端に低い子ってかなり少数派です。
そして、90点でも高得点と言えるわけでもないのが小学校…
だから、毎回のテストでコンスタントに100点とか取らないと、ペーパーテスト上で見た場合でも「よくできる」にはならないのでは?と思います。
特に、“テストの点数が平均点よりちょっとだけ上”みたいな感じだと、やっぱりよくできるがつきづらいように感じます。
※ただし、小学校の成績は複数の要素を総合的に加味するので、平均ちょい上ぐらいの子でもよくできるがつくのですが…
発表などを積極的に行うタイプではない子
2つ目は、学校の授業で発表などを積極的に行うタイプではない子です。
ここでも注意点があって、発表を積極的に行えばよくできるになるわけではないが、発表とか挙手とかそっち系の態度面で積極性がないとよくできるがつきずらいような気がするということです。
あくまで子供たちから聞いている情報なので、どこまで信じていいのかよく分かりません。でも、発表頑張ったと言っている子の評定が何となくいいので、多分そういう要素は少なからずあるのかな?と思います。
逆に、物静かなタイプの生徒や騒がしくて落ち着きのない子などは通知表の評価は低いですし…
自学など提出物がダメだとよくできるにならない
正直、テストの点数はいいのによくできるにならない子って結構います。
もうね、決まって男子生徒なのですが、これには共通項がある。
1つはうるさいこと。落ち着けてない。そしてもう1つは、全ての行動が雑すぎるということです。
この「雑」っていうのが割と致命的です。このタイプの子は、学校の自学などもクソ適当にやって提出します。字もグチャグチャだし、文字がやたらデカくて手抜き感満載…
流石にこれだと評価は下げられても文句は言えんわな…と思うようなものを何回も見てきました。そういう意味では、学校の先生の評価はまあまともなのかな?と。
ただし、こうやって評価する仕組みだから、決まって女子生徒の方が成績がいいのが小学校。それはそれでいいんか?と納得できない部分も個人的にはありますね。
小学校通知表でよくできるがない・少ない:焦った方がいい子の特徴
最後は、小学校の通知表で「よくできる」がないor少ない子で、親も今から焦らないと流石にまずいでしょ?って子の特徴をお伝えします。
これはかなり高確率で中学の未来を占えるので、少し残酷な現実ですが、絶対に現段階で見ておいて欲しいです。
カラーテストで80点以下のケース
「よくできる」があろうがなかろうが、結局やばいのがこのケース。
・カラーテストで80点以下
この場合、中学だとテストは60点以下になります。60点以下だと、通知表の評定は5段階で3以下にしかなりません。3以下の内申点(オール3)だと偏差値45程度になり、偏差値50以上の普通科公立高校に進学をするのは絶望的になります。
つまり、私立専願で己の偏差値より高い高校にチートして入るか、県内最底辺の高校(偏差値45程度)の普通科に行くか、高卒ルート(工業など専門学科の高校)に行くかの3パターンぐらいしか選択肢がありません。
一般的に、小学校のカラーテストは、中学のテストだと以下のように換算されます。
①小学校で90〜100点→中学で80点以上
②小学校で80点→中学校で60点
③小学校で60点以下→中学校で40点以下
そして、中学では75点以上でようやく評定4の水準で、それ以外だと3にしかなりません。よくてオール3です。なお、オール3は普通ではなく偏差値45程度で完全に「下位層」です。
親御さんは、通知表の成績よりも、まずはカラーテストなどで子供の学力を正しく把握してください。
小学校のカラーテストで80点以下はかなり危険水準ギリギリで、60点台だと絶望的です。
以下の記事で、中学でオール3以下になるとどういうルートを辿るのか、その真実を包み隠すことなく書いています。小学生のうちに必ずお読みください。
授業態度や提出物が原因で「よくできる」にならないケース
先述しましたが、小学校はテストの点数が仮に悪くない(90点以上)でも「よくできる」がつかないことは普通にあります。
その最たる理由は、授業態度や提出物といった評価項目の存在です。
このタイプは、学力的にはまあ問題ないので、中学での偏差値は50以上は担保されているイメージです。なので、地域の中堅校ぐらいは射程圏に入ります。
しかし、中学では内申点を取らない限り、上位校には行けません。例えば偏差値60程度の高校の場合、一般的にはオール4程度の内申が必要と言われています。
ぶっちゃけると、小学校で下半分(カラーテスト80点以下)は、中学に入ればテストの点数が取れずに終わります。偏差値40台の生徒ですので、中学受験の恩恵も少ないです。
しかし、そこそこ点数が取れているのに、内申点が取れないタイプの子は一番損をするタイプです。このタイプは、公立中学校に進学すると、内申点がうまく取れず、自分の偏差値以下の高校に進学する羽目になります。
だから、中学受験なども視野にいれ、保護者は準備を進めた方がいいケースも多いです。そこそこセンスがあるのなら、内申点ごときで将来を奪われるのは馬鹿げていますからね…
総括:小学校通知表でよくできるがない子の特徴まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
小学校通知表で「よくできる」がない・少ない状況の評価
- 通知表の「よくできる」の基準
- めあてを十分達成している場合に付く評価。
- 「よくできる」がない場合、十分に達成できていないとみなされる。
- 評価基準が曖昧
- 学校のめあてや基準が明確でない場合も多く、反論が難しい。
- 教師や学校による評価のばらつきが存在する。
- 「よくできる」取得者の割合
- 全体の約20%程度が「よくできる」を取得すると言われているが、絶対評価のため地域差がある。
小学校通知表で「よくできる」がない子・少ない子の特徴
- テストの点数が「決して良くない」生徒
- 平均点より少し上程度では「よくできる」にならない可能性が高い。
- コンスタントに満点を取る必要があるケースもある。
- 発表や挙手など態度面の積極性がない生徒
- 授業中に発言しない、物静かなタイプの生徒は評価が低くなりがち。
- 提出物や態度が雑な生徒
- 提出物が適当で字が乱雑な場合、「よくできる」が付きにくい。
- 特に男子生徒に多い傾向。
焦った方がいい子の特徴
- カラーテストで80点以下の生徒
- 小学校で80点以下の場合、中学では60点以下になり、偏差値45程度に収束する。
- 偏差値50以上の高校進学は困難。
- 提出物や態度が原因で評価が低い生徒
- 学力はあるが内申点が取れないタイプ。
- 中学進学後に自分の学力を反映した高校進学が難しくなる。
親が今から取るべき対策
- 学力の正確な把握
- 小学校の通知表よりも、カラーテストなど実際の得点で実力を見極める。
- 中学受験の検討
- 学力がある場合、中学受験を視野に入れることで内申点に左右されない進路を確保できる。
- 行動や提出物の改善
- 学力があっても評価が下がらないよう、態度や提出物を丁寧に仕上げる習慣を身に付けさせる。
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