塾業界ではたびたび話題になる「定期テスト過去問配布ずるい」問題。
過去問配布とは、学習塾などがその学校の過去問を生徒に配布して対策してしまうことを指します。
長くその地域で指導をしていると、近隣の中学校の過去問を生徒からコピーさせてもらえるので、データが溜まっていきます。その過去問を、そのまま生徒に解かせてあげれば、明らかに点数アップにつながります。
しかし、定期テストの過去問配布には数多くのデメリットが存在していることは言わずもがな…
そこで本記事では、定期テストの過去問配布はずるいのかどうかを塾長目線で解説していきます。
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定期テストの過去問配布はそもそも許されるのか?
まず最初に、ずるい・ずるくないといった感情的な問題の以前に、そもそもろんの話をしましょう。
・学習塾が定期テストの過去問を配布するのはそもそもOKなのか
ここの所が、正直リーガル的にも結構曖昧になっていますからね…
大原則:学習塾の過去問配布はダメ
まず、学習塾の経営者としてどう思っているかについて。
結論、学習塾が定期テストの過去問を配布することはどうあってもダメです。
自分は法律家ではないので、本来法律の知識を話す立場にはありません。しかし、定期テストをコピーして配布するのは、どう考えても「著作権違反」だと思います。
定期テストの作成者は学校の先生であり、テストの中には先生が作った独自の問題が入っています。もちろん、問題には画像や資料なども引用されており、それもまた著作物である可能性が高いです。
これらの理由から、学習塾が過去問配布を行うことは、教育目的という理由があってもNGだと考えます。
学校の先生が過去問配布するのはOK
なお、事例としては少ないですが、学校の先生が自分の過去問を生徒に配布するケースもなくはないです。
これに関しては、少なくとも法律上は問題ないでしょう。先生自身が作られたものであれば、それは先生の自由ということですからね。
ただ、そのような先生のテストはあまりよろしくないですね…
過去問から同じようなのを出すのでしょうから、定期テストというよりも単なる暗記テストになってしまいます。
これだと、意味も分からず過去問をクソ暗記しただけの生徒が点数をとってしまいます…
定期テストで過去問配布はずるい?メリット・デメリット
学習塾で学校の先生の定期テストの過去問を配布する塾は少なくありません。
ただ、過去問配布で定期テストを乗り越えることには、メリット・デメリットの両方が存在しています。
ここからは、ずるいという感情論は横に置いておいて、定期テストにおける過去問配布のメリット・デメリットについて客観的(なつもり)な視点で分析してみましょう。
過去問配布は最も簡単に点数アップを実現できる手段
まず、過去問配布の一番大きなメリットについて。
それは、「圧倒的な点数アップ」です。
正直、過去問配布して定期テストの点数を上げることはチートです。ドラえもんの道具でもある「暗記パン」に近いイメージです。直前の対策で、その先生の作る問題の形式・傾向を強制的にインプット。そして、答えなども完全に暗記させてしまう。
ここまでやれば、大きくテストをいじらない怠慢な(?)先生に当たれば、満点近い点数が取れてしまうことも珍しくないです。満点まで行かなくても、類題が出題されれば、ほとんどの生徒の点数は上がります。
そういう意味では、テストの点数が目にみえる形で上がることはメリットなのでしょう。
内申点が上がってしまう:これが本当にマズイ
正直なところ、定期テストの過去問配布で獲得した点数などまやかしの実力です。
そういう意味では、何の価値もない成果と言えます。
しかし、公立中学の場合、内申点アップに繋がってしまうことが問題です。高校受験は本当に内申点で決まってしまう競技ですからね…
つまり、法律を破って著作権を無視して過去問配布しまくる塾に入れ、チート気味に内申点を稼いでライバルを出し抜く子が、志望高合格に近づいてしまう…
こんな馬鹿げた話はないです。
ただ、学習塾の中には、目先の生徒の点数アップに目がくらみ、平気で過去問配布するクソ塾があります。それで点数を上げると親も喜ぶからタチが悪い。
登場人物は両方ともしょーもないのですが、そこで利害関係が一致しているのも最悪です。
これだと、不正行為のリスクを学習塾に負わせ、自分の子供の内申点を上げてもらおうと考える親が出現しても、ロジック上は何らおかしくない。だからこそ、学校の先生はしっかりテストの問題を作って欲しいです。ズルする学習塾は絶対に現れるので…
偽物の実力のまま受験生を迎えた生徒の末路
正直な所、過去問配布しまくっている塾は点数が上がります。
ズルしてるからです。
でも、そうやってズルして上げた偽物の点数では、どうあっても太刀打ちできないことがあります。
それが、「実力テスト」「高校受験の問題」です。
結局のところ、これらは実力しか見られません。チートして上げた内申美人では、決して解けないレベルの問題が本番入試です。そのため、内申点は高いから合格できる高校には受かりますが、上位校の受験は一気に厳しくなります。
このタイプは、受験過去問などをやらせると、中間層や下位層と同じレベルのへなちょこ点数しか取れません。脳が鍛えられていないので、中3でこれだと完全に手遅れです。
大学受験の一般入試は絶対に戦えない
定期テストの過去問配布で内申点をあげれば、実力以上の高校に進学することができてしまうことがあります。
しかし、学力的には低偏差値のままチートで進学した高校の中で、その子の立ち位置は悲惨なものとなるでしょう…
推薦入試でうまく逃げ切れたらいいですが、国公立受験などはほぼ無理です。あれはマジで頭が良くないとハックできない入試です。
過去問配布で学力が上がったと勘違いしたザコが勝負できるような入試ではありません。これだけは、肝に銘じておかないと、本当に悲惨なことになります。特に、こういう塾に通わせている親の責任が重たいです。
定期テスト過去問配布がずるいか分かったら:塾選びの注意点
過去問配布には、明らかに欠点があります。また、過去問配布をする塾の問題も大きいです。
しかし、だからこそ塾選びをする上で、どんな塾に活かせるのかを考えることこそが親の仕事ではないかと思います。
過去問配布を行う塾の心理
まず、学習塾の経営者として、過去問配布を行う心理を解説します。
そもそも、学習塾というのは成績を上げてナンボです。なんだかんだで、親が塾に通わせる理由は成績を上げて欲しいからです。
しかし、成績アップは決して簡単ではありません。一般的に、塾に来て成績が上がる生徒は約30%程度と言われています。
理由は、「子供の地頭の問題」「子供の価値観の問題」「子供の性格の問題」「親のレベルの問題」など、学業とは無関係な場所に点数が上がらない理由があるからです。
学習塾は、方法論で解決できる生徒しか点数を上げられません。
嫌なことからすぐに逃げる生徒の点数は上げられません。課題をサボってやらない生徒の点数も上げられません。暗記力が弱すぎて、制限時間内に物を覚えられない子も地頭的に厳しいので上がりません。
でも、過去問配布をすれば、そんなどーしようもない生徒でも成績を上げることができるのです。
塾としては、そこに目が眩んでしまうのです。悪魔に魂を売る瞬間とも言えます。
ここからは主観ですが、そんなことをするのなら、
・一定以上の地頭がない生徒の点数は上がらない
・学業以前の問題が大きい生徒は成績が上げられない
とハッキリ言い切ってる人の方がよほど信用できると思います。
無理なものは無理と言って、きちんと現実を伝えるのって勇気もいるし、敵も作ります。経営的に厳しくなることだってある。
でも、チートして過去問配布して生徒集めて、金稼ぎに行くって…
まあでも、そういう塾に魅力を感じてしまうご家庭があるのでしょう。全てがザコすぎて、一切関わりたくない。
過去問配布はずるいと感情的に考えないことが大事
正直、過去問配布をずるいと感じてしまう心理は分かります。
でも、これは短期的な目線でしか物をみていない人の発想にすぎないです。
どれだけ途中でズルして点数を上げようが、結局人間は自分の能力の範囲の中でしか結果は出せません。最終的には、本人の実力以上の成果など出ません。
大学受験では失敗するだけです。ワンチャン指定校で実力以上の大学に行っても、就活でこけるだけです。就活面接で話盛って内定取っても、実力がないものは社内で淘汰されるだけ。
どうせ、その人の器の範囲でしか結果は出ない。
逆に言えば、実力以上の成功は身を滅ぼす危険を孕んでいるだけ。再現性のない成功体験を子供につませれば、それは終わりの始まりです。
総括:定期テストで過去問配布はずるいのかまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
定期テストの過去問配布は許されるのか
- 学習塾が定期テストの過去問を配布するのは「著作権違反」の可能性が高い。
- テスト作成者である学校の先生が過去問を配布するのは法律上問題ない。
過去問配布のメリット
- 定期テストの点数を短期間で大幅に上げることができる。
- 過去問の傾向に慣れることでテスト対策が効率的になる。
過去問配布のデメリット
- 偽りの内申点アップが発生する可能性がある。
- 実力が伴わないまま受験期を迎え、高校受験や大学受験で苦労する。
- 学力の実態を見誤り、長期的な成長を妨げる。
過去問配布を行う塾の心理
- 成績アップを保証したいがために過去問配布に頼る。
- 生徒や親に成果を示し、顧客満足度を上げることを目的としている。
過去問配布がもたらす問題
- 学力以上の高校や大学に進学しても、その後の学習や就職で行き詰まるリスクが高い。
- 実力を伴わない短期的な成功は、長期的には弊害となる。
塾選びの注意点
- 短期的な点数アップだけを目的とする塾ではなく、生徒の実力向上を重視する塾を選ぶべき。
- 現実を伝え、長期的な学習計画を立てる塾の方が信頼できる。
過去問配布を感情的に考えない重要性
- 短期的な成功に惑わされず、最終的には自分の実力が評価される場面が来ることを理解するべき。
- 再現性のない成功体験を子供に与えることの危険性を考慮する必要がある。
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