六アイや須磨翔風など偏差値50以上の中堅校に合格できるのは、学年でもおおよそ上位40%程度に入っている子です。つまり、下位約60%は公立の中堅校以上には進学できないことになります。

灘区周辺のエリアにおいては、「神戸or兵庫・御影or星稜・葺合」が偏差値60以上で上位校に分類されていますその下に六アイや須磨翔風が控えます。ここが偏差値53で、ギリギリ普通より上と言える水準です。

これを割り込むと、東灘高校を許容するか、普通科を断念して専門学科(工業や商業)などにするしか公立高校では選択肢がなくなります。それが嫌なら私立高校に行くしかないというのが実情です。

では、主に学年の下半分で六アイ須磨翔風に行けない子はどういう進路選択をするのでしょうか?

六アイ須磨翔風に届かない下位50%の現実的な進路

六アイ須磨翔風に届かない場合、主に以下の5パターンの進路が考えられます。そして、例外パターンが一部存在します。

<六アイ須磨翔風に届かない下位50%の進路>
・東灘高校に進学
・六アイ須磨翔風に特攻して不合格→第二志望で東灘
・六アイ須磨翔風に特攻して不合格→滑り止めの私立へ
・私立専願で主に滑り止めに使われる私立に行く
・専門学科(工業・商業など)に進学

<例外パターン>

・推薦入試でワンチャン六アイ須磨翔風に合格

それぞれ解説します。

パターン①:東灘高校に進学

公立高校の普通科で考えられるパターンとして「東灘高校」が考えられます。

六アイ須磨翔風の下になると、専門学科を除けば普通科だと高塚高校や東灘高校しかありません。そして、この2校だと高塚の方が若干偏差値が高く、東灘高校は第一学区ではほぼ最底辺の偏差値の高校となります。

高塚高校は偏差値49程度で、東灘高校が偏差値45程度です。言い方は良くないですが両方とも底辺校です。だから、あとは住んでいる地域によって通学面を考慮して学校を決めるとが多いです。

自塾のある灘区エリアだと、高塚高校はどうしても通いづらく、多少偏差値が上でも敬遠されることが多いです。よって、結果的に東灘高校の方が選ばれる傾向にあります。

六アイ須磨翔風は内申点が一定水準を満たさないとほぼ受かりません。

そのため、中3の2学期終わりで最終内申が確定すると、六アイ須磨翔風を断念して東灘を第一志望にする子が出ます。そして、そのまま合格できれば進学することになります。

パターン②:六アイ須磨翔風に特攻して不合格→第二志望で東灘

内申点が不足しても、諦めずにチャレンジする子も当然います。このパターンで考えられるケースは、第一志望に六アイ須磨翔風を書き、第二志望で東灘高校を書くケースです。

内申がわずかに不足している子や、オール3でも本番の得点で250点以上が狙える子の場合、最初から第一志望を東灘にする必要はありません。加算点25点を失った状態でも第二志望で東灘は受かってしまうからです。

だから、ワンチャン逆転合格がありえるのであれば、最後の最後までその可能性に賭けて受験するのは別に間違った行動ではないです。

ただし、兵庫県第一学区の中堅校は毎年激戦で倍率も高いです。そして、内申点でが不足している子の逆転はほぼ起きません。そのため、高確率で六アイ須磨翔風に不合格となり、最終的には東灘高校に進学することになります。

パターン③:六アイ須磨翔風に特攻して不合格→滑り止めの私立へ

六アイ須磨翔風に特攻するパターンでも、東灘高校に進学しないパターンもあります。

このパターンは、第一志望には六アイ須磨翔風を書くのですが、第二志望は何も書かない出願になります。これで六アイ須磨翔風を不合格になれば公立高校で行ける学校はなくなります。

そのため、滑り止めで受けている私立高校に進学することになります。

このタイプの心理は、「公立高校であればアンダーラインは六アイ須磨翔風まで。東灘は絶対に行きたくない。落ちたら私立でいい。」です。東灘は地域最底辺でイメージ的にも嫌がってしまう親子は多いです。だから、この出願も非常に多く見られます。

ただ、一般的に学年の下位半分にいる子は内申点の基準値も満たせないことが大半です。まして兵庫の難しい入試でそれなりの得点を取らせて逆転合格することもまずないです。

だからそのまま六アイ須磨翔風に不合格になり、滑り止めの私立に行くしかないのがお約束の流れです。ただしこうなると、自分と同じ成績かワンチャンそれ以下の成績で私立専願に逃げた生徒と同じ進学先になるか、学校名は同じでもコースがワンランク下がることになります。

パターン④:私立専願で私立に行く

六アイや須磨翔風に必要な内申点や学力水準に満たないと判断した場合、「私立専願」というルートがあります。

この層は、「六アイ須磨翔風に受かるような実力もなければ努力もしたくない。でも東灘も嫌。どうせ私立になるなら、私立専願でさっさと受験を終えたい。」というマインドが根底にあることが多いです。

私立専願にすれば私立併願にするよりもワンランク上のコースで合格できる場合もあるので、それもメリットに感じる子が出てきます。どうせ六アイや須磨翔風に特攻しても落ちて私立になる可能性が濃厚なら、少しでも上のコースで受験を終えたいと思うのです。

なお、昨今のパターンを見ていると、内申点がオール3に毛を生やした程度(4が1個とか2個)で普段のテストで平均より少し下ぐらいの子でも、私立専願にすると特進コースに受かってしまう傾向があります。

申し訳ないですが、特進コースの定義って何?と思わざるを得ないです。

しかし、偏差値サイトなどを見るとそのような特進コースでも偏差値60とかついています。全く数字に信憑性はありません。だけど本人からすれば東灘を回避できるメリットがあります。それに、私立専願であれば公立入試のように死ぬ気で勉強しなくても受かります。推薦さえされれば99%合格確定なので楽に進路を決められることに魅力を感じます。

さらに、私立無償化で金銭的な負担がグッと減りました。だから、悪い意味でこういうルートに逃げる生徒も多いです。別に特進コースで一生懸命勉強しようってわけでもないですからね…

だからこういう所に税金を投入するのは本当にやめて欲しいというのがイチ納税者としての素直な意見であり、同じ主張の人も大勢います。

「ロクに勉強もしないお子様に、生活保護ならぬ学歴保護をして差し上げる。そのために一生懸命働いた我々の税金を投下するなんてマジで胸糞悪い。」

まるで、刑務所の犯罪者の飯代を負担する納税者の怒りに近いような感情を持つ人もいるということです。この手の学歴ロンダリングみたいなものは全く納得できませんが、こういう属性の連中を生み出すクソ制度が100%悪いです。

パターン⑤:専門学科(工業・商業など)に進学

最後は、①〜④とは属性がそもそも異なります。

この層は根本的に大学進学をその先の進路としては考えておらず、高卒でそのまま就職するルートを選択するケースです。勉強は向き不向きがあるので、これ以上高等教育で学問の道を深めるのではなく、手に職つけて早めに社会に出てしまおうという算段です。

正直、これが一番普通と言えば普通の流れです。

中学レベルの勉強で学力が学年下位半分になる子に大学進学をさせるというのが本来おかしな話です。昔であれば学年の下位60%とはこのパターンでした。

ただし昨今は勉強適性がなかったり、明らかに勉強をやる気がない子でもとりあえず大学に行かそうとする風潮があります。しかしこれは、私立専願でとりあえず普通科に行かせる人が増えすぎた結果です。

ただ当然ですが、高校受験で精度をハックしただけでそもそも学力や勉強適性が低い子の大学進学先は悲惨です。偏差値30台の文系私大か偏差値のつかないBF大学に行く子も大勢います。

それゆえ「高卒で働くのがいいか、Fランでもいいから大学に行くのがいいか」みたいな香ばしいテーマが尽きません。

例外:推薦入試でマグレの六アイ須磨翔風合格

ちなみに、昨今では一般入試以外にも推薦入試という不透明極まりないクソ制度が出来上がったおかげで、入試結果にバグが生じることがあります。

それが、「一般では120%六アイや須磨翔風に受からない生徒が、なんか面接とかでハマって不思議の合格になるケース」です。

一般受験の場合は内申点が半分のウェイトを占め、内申が不足した時点で中堅校はまず受からないです。でも、推薦入試では何をどの程度の割合で見ているのかブラックボックスです。よって、内申不足でもワンチャンの勝利があり得ます。

実際、評定に2がついている生徒でも須磨翔風に推薦入試で受かってしまったという事例もあります。こんなのは一般受験であればまず考えれません。

ただ、推薦でも受かろうとすれば、私立専願に逃げることが許されないのが唯一の救いです。私立専願にすると公立は推薦でも受けられなくなります。だから、ワンチャンでも何でも勝負に出た結果掴んだ勝利とも言えます。そこは私立専願組とは明らかに違う部分です。

ただし、一般受験と違い推薦入試にはこれと言った成功方程式がありません。運ゲー要素がかなり強いです。だから「受かればラッキー」という話で、「推薦しかチャンスがない…」とそこに賭ける競技ではないことはご了承ください。

学年下位50%の塾通いの意味:価値を感じずらいのは当たり前

学年でも下位半分以下に属する生徒は、第一学区であれば中堅校以上に行くことは原則無理です。進路の選択肢は相当限定されます。

そのため、学習塾への満足度も極めて低く不満を感じやすいのもこの層のご家庭の特徴です。だから上位層の集客が上手い塾は入塾テストなどで上手いこと下半分を弾きます。

しかし、学年半分以下の学力の子というのは、なぜこうも学習塾に満足できないか理由を分解できていますか?自分は塾屋なのでかなり解像度高く分かります。

中堅校以上の公立高校には受からない可能性が高いのに月謝を払うのが不服

まず大前提ですが、学年の下位半分は中堅校以上の公立高校にはいけません。

学業の上半分は、六アイ〜神戸高校の中で高校幅は触れます。そして、最低でも六アイレベルは確保されている子が多いです。その上で、県芦になるのか葺合になるのか、ワンチャン御影や神戸に行けるのか?的な戦いをします。

しかし下半分は、六アイや須磨翔風が上限です。そして、六アイ以下になると東灘か高卒ルートの高校しか公立は選択肢がなくなります。だから、名前さえ書けばほぼ受かる私立専願に着地する子も多いです。

こんな状態で毎月それなりの金額の月謝を上位50%以上の子と同じように負担させられるのですから、不満がたまりやすいのは当たり前です。

しかしこれは学習塾側の問題ではなく、子供の地頭のセットポイントの問題が大きすぎます。勉強適性がある子とない子ではそもそも期待値は全く異なるものです。受精卵の段階で50%以上は決まるとも言われています。

でも、そんな生物学的な話をお利口に受け止められるわけもないのが保護者心理です。

「うちの子は勉強が苦手。マックスで六アイが限界でそれすらも確率的に厳しいことは承知しています。でも親としてやれることは全部したい。たとえ期待値の低い投資でも毎月しっかり月謝は払い続けます!」

な〜んて保護者さんは極小で、大抵の人は頭では分かっていても、気持ち的には納得できません。だからこそ、この層を入塾させる学習塾は相当に覚悟を決める必要があります。

ただね、そんな覚悟を持つことなく、金むしり取ることしか考えていない個別指導とか多いのが業界の闇なんです…

「どうせどこかで辞めるから、辞める直前のギリギリまで搾り取ろう」と考える塾は実際多いです。

例えば、

・退塾を申し出てから1ヶ月後しか辞められない
・入塾金がやたら高い
・夏期講習では20万円コースを提案してそこから少しずつ値下げする

などあの手この手を駆使して学力下位層から搾り取ります。

高額講習は本当に価値があるならいいのですが、「退塾を申し出てから1ヵ月後しか辞められない」とかは金取る気しかないと思うのは自分の歪んだ見方でしょうか?

仮に引き落としされてても、翌月になっていないなら振り込み手数料だけ負担してもらって残りは返金したっていいんです。誠実にやる気があるかないかの問題でしかない。塾の経営は経営者の自由なので誰からもケチつけられる筋合いなんてないですが、そういう経営方針をしている人がどういうマインドなのかぐらいは考えた方がいいです。

ちなみにウチは、原則として下位50%以下は入塾をお断りしています。ご満足いただけず高確率で退塾になってしまうからです。

もちろん、下位グループから始めて上位40%ぐらいまで上がれば六アイに受かります。そうなれば塾通いの価値はあります。しかし、その水準まで引き上がる子の割合があまりにも少ないのが現実です。

この層は根本的に地頭が弱く、理解力・語彙力・読解力・記憶力がそもそも普通以上の成績を取る子に比べて元々劣っているのが実情で、上位の子と同じことをさせるのは構造上厳しいです。

これらは才能格差であり努力格差の問題ではありません。仮に努力格差で埋まる子だとしても、150%死ぬ気になってもらってようやく何とかなるか・ならないかの世界です。

でも、私立専願で楽して高校に入る道があるのに、わざわざしんどい思いして偏差値53の六アイ受験に全力になれるでしょうか?

自分なら無理です。よほどの強い動機がなければ、いざとなれば私立専願に逃げれるのに、体に鞭打って努力する気にはなれません。特に努力しても人より成果が出ずらいジャンルなら尚更無理です。

生徒によっては、「それでも頑張ります!」と最初は口にする子もいます。親もそれを信じて希望を持つケースが多々あります。でも、こういうのは大人が冷静になるべきです。

子供が「頑張ります!」と宣言している瞬間は、これから先どのレベルの困難があるのかなど見えていません。自分が想像している何倍もの負荷がかるかもしれないことを踏まえて「頑張る」と言っている子なんていないです。

勉強自体が苦手なら尚更です。勉強の大変さを推測するには、ある程度勉強のことを理解していないと無理ですからね。

だから実際にやり始めると「思ったよりしんどかった」「やっぱり私立専願で受験の勝負から離脱したい」とマインドが変わってくるものです。

そういう意味では、親御さんも「そもそも塾に行かす意味あるのかな?」と原点に立ち返った方がいいケースの方が多いのが実情です。仮に子供を信じるとしても、その期待は裏切られる可能性が高いと思って塾通いを決めないと不幸になるだけです。

なお、子供の学力が学年下位50%以下で子供本人に対してやる気も覚悟もないのに親が一方的に焦って半分より上の成績を望むのが一番無理です。こんなもの上手くいくわけがありません。絶対に不満を感じられる自信しかないので、最初からしっかりお断りしないと誠実ではないと思います。

学年の下位50%の塾通いで満足するケースというのは、

・運よく成績が上がったケース(元々地頭は良かったけどサボってただけの子)
・成績以外の部分に価値を感じられる保護者さんかどうか
→学校以外で関われる大人の存在,最後までサポートしてもらえて感謝,結果はダメだったけど塾がなければ最後まで走ることができなかった…など

ぐらいのものです。

これ以外で塾に課金し続けている人って、「とりあえず塾には行かせた方がいいと思っているので…」的なあまり深く考えないタイプだけになっちゃいます。

総括:兵庫県第一学区学年下位50%の進路のリアルまとめ

最後に、本記事のまとめを残しておきます。

  • 六アイ・須磨翔風の合格ラインは学年上位40%程度
     → それ以下の生徒は中堅校以上の公立進学が困難。
  • 下位50%の主な進路パターンは以下の5つ
     ① 東灘高校(地域の最底辺校)に進学
     ② 六アイ等に特攻→不合格→東灘へ
     ③ 六アイ等に特攻→不合格→滑り止め私立へ
     ④ 最初から私立専願(努力を回避)
     ⑤ 専門学科(工業・商業など)で高卒就職狙い
  • 推薦入試は“運ゲー”要素が強く、低内申でも合格例あり
     → ただし成功の再現性は低い。
  • 学年下位層の塾通いは不満が出やすい
     → 結果が出にくく、月謝に対する満足度が低い。
     → 多くの塾はその層を弾いている(または搾取対象にするだけ)。
  • 私立無償化の制度が“楽な進学”を助長している現実
     → 勉強せず“特進”コースに進学できる事例もあり、学力の格差は改善されず。
  • 地頭の差=才能の差が大きく、努力ではどうにもならないケースが多数
     → 無理に上位校を目指すと親子ともに不幸になる可能性大。
  • 塾としては、下位層は原則お断りの方針
     → 誠実な対応として、不可能な目標に期待を抱かせない。

兵庫県公立高校入試教科別対策法の全ては以下のとおりです。