内申点の平均がどれくらいかご存知でしょうか?
中学校の内申点は5段階評価で9科目あります。そのため、内申点がオール5だと最高で45点の内申点ということになります。
では、全体平均だとどのくらいになるのか?
結論、内申点30〜31点ぐらいが全体平均になるのではないかと推測できます。後述しますが、東京都がおおよそのデータを出してくれているからです。
本記事では、内申点の平均の真実&平均では全く安心できない理由を塾講師の立場から解説していきます。
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内申点の平均:30点〜31点ぐらい
まず最初に、中学生の内申の平均について解説します。中学生の内申平均については以下の通りです。
中学生の内申点平均:30点〜31点
冒頭でもお伝えしましたが、中学生の内申点の平均は以下の通りだと推測できます。
・中学生の内申点平均:30点〜31点
こう推測できる根拠は、東京都が公表している以下のデータです。

引用:東京都公式サイト
オール3の生徒の内申点の合計が27点ですが、それは平均点ではありません。実際の評定分布から計算すると、1教科平均で3.4程度になります。
全部で9教科あるので、3.4点×9教科=30.6点がおおよその平均値です。なんとなくですけど、体感的にはもう少し高い地域もあると思います。なので、平均で見れば30点〜33点ぐらいがレンジかな?というのが自分の見立てです。
イメージ的には、「ほとんど3だけど4が3つぐらいある子」これがちょうど平均的な子の人物像ということになります。
オール3(内申点27点)は平均ではない
ここで注意しないといけないのは、オール3の生徒です。
オール3ということは内申点の合計は27点です。つまり、推定される平均的な内申点よりも3ポイント程度下ということになります。
分かりますね?
オール3の生徒は平均点でもなんでもありません。平均を確実に下回っている生徒であることが分かります。
なお、オール3(内申点27点)が受験的にどのくらいまずいのかは以下の記事で詳細に解説しています。
ザックリ言えば、オール3の生徒は偏差値40台の普通科高校か専門学科のある高校しか選ぶことができません。
仮にオール3で偏差値50以上の高校を受験しようとすると、本番でかなり得点差をライバルとつけなければいけなくなります。でも、それはかなり難しい。いや、それが出来るような子ならオール3になっていない。
ハッキリ言うと、オール3は平均ではないどころか「下位層」です。
平均的な内申点を獲得している生徒が行ける高校
ちなみに、平均的な内申点を獲得している生徒は、どのレベルの高校を目指すことができるのでしょうか?
ここでいう平均的とは、「4が3個で残り全部3の生徒」だと思いましょうか。
結論、偏差値53程度の中堅校に届くかどうかって感じです。
※内申制度は各県ごとによって違いますが、兵庫だと副教科の比重が大きいので、どの教科に4がついているかでも志望校合格の可能性がまるで変わってきます。
なお、4が3個程度付いている子の多くは、中3の最初には決まって偏差値60程度の高校名を志望校として口に出します。しかし、まずその願いは叶わないです。
偏差値60の場合、内申点の目安は35以上です。つまりオール4取ることが求められます。
現状で3が付いている教科が6個ある場合、それら全部を4にするのはそんなに甘い話ではありません。
中3になってからだと、評定を1教科上げるだけでも一苦労なんですよ。それを6教科も上げようとするなんて、よほど現実が分かっていないと見えます。
ただ、そういう生徒(とそれを願う親)がゴロゴロ発生するのが現在の高校受験なのです…
※なお、中学生の通知表の成績に対する塾講師の忖度ない本音の厳しい評価は以下のとおりです。本当のことしか書いていないので、心臓の悪い方は読まないでください。
内申点の平均が分かったら:把握しておくべき現実
ここまでは、内申点の平均についてデータをベースに発信してきました。
ここからは、内申の平均が分かった上で保護者さんに現段階でキチンと把握しておいて欲しいことをお伝えします。
内申点の平均は極めて危険な状態
まず最初に、内申点の平均がいかに危険な水準にあるかを改めて実感して欲しいと思います。
まず、高校受験的に言えば、先述した通りギリギリ中堅校(偏差値53程度)が狙えるレベルの水準だということはご理解ください。
そして、そんな中堅校ですら合格確実圏にいるわけでもないんです。本番の点数が取れないタイプの子であれば、平均程度の内申でも中堅校に落ちます。
煽ってばかりで申し訳ないのですが、これが高校受験のリアルです。
評定に「3」があることのヤバさを知っているか?
平均程度の内申があるから、自分の子供は平均的な学力がある。
残念ですが、この分析は完全に間違っています。
なぜなら、評定の「3」がそもそも平均的な水準ではないからです。ハッキリ言いますが、3が付いている教科は学年でも下位層だと思った方がいいです。
そもそも、5段階評価の各評定の内訳をご存知ですか?
実は5段階評定の内訳は以下の通りです。
・評定5:全体の約12%
・評定4:全体の約24%
・評定3:全体の約47%
・評定2:全体の約14%
・評定1:全体の約4%
これは東京都が実際に出しているデータ↓です。

引用:東京都公式サイト
ここから分かることは、評定「3」がカバーする守備範囲がとてつもなく広いということです。
学年の中でも下位80%以下にならない限り、評定「3」はキープできてしまうのが現実です。テストで40点や50点でも3です。平均点取れていなくても3です。
究極、マジでやばい子以外は最低「3」が取れてしまうのが今の時代の絶対評価の仕組みとも言えます。
※そういう意味では「2」がある子は本当にやばいのです。
話を戻すと、平均程度の内申点しか取れていない親御さんは、もう少し子供の勉強に危機感を持った方がいいという話です。
マジで勉強できていないので、受験では志望校設定が適切でない場合(高望みする場合)、本当に苦しい思いをすることになると覚悟してください。
勝負は中2まで:中3から内申点を上げるのには限界がある
公立高校受験は、本当に内申点が命です。
そして、ほとんどのケースでは、中3から内申点が爆上がりして行く…なんてことはないです。大半の子は、中2までの成績をそのままキープして終わっているのが現実です。
この残酷な現実は、以下の記事でも解説しています。
ただ、この記事を読まれているタイミングがまだ中1や中2の初めである場合。それならまだチャンスはあるかもしれません。もし本当にやれば出来る子なのであれば、このタイミングはまだまだ化ける時期です
自塾でも、1年の夏〜2年の冬ぐらいが学力アップのピークです。中3になると難易度が難しく範囲も多いので、同じように努力してもキープするのがやっとだからです。
もちろん、中学の勉強は難しく、勉強に適正がない子はどうしても内申点が挙げられずに終わることも珍しくありません。この場合、子供の努力不足だけが原因ではないです。環境だけのせいでもない。遺伝的な要因がどうしてもあります。
その場合、親御さんはお子さんをキチンと受け止めて欲しいです。この手の話は、「高校受験で親ができること」という以下のテーマでもお伝えしています。
総括:中学生の内申点の平均についてまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
内申点の平均値
- 中学生の内申点の平均は「30点〜31点」と推測される。
- 東京都のデータによると、1教科平均評定は3.4程度で、9教科で計算すると約30.6点になる。
オール3(内申点27点)は平均以下
- オール3(27点)は内申点の平均ではなく、「平均を下回る」水準である。
- オール3の生徒は偏差値40台の普通科高校や専門学科のある高校しか選択肢がなく、志望校に偏差値50以上を設定するのは難しい。
平均的な内申点では中堅校が限界
- 平均的な内申点(例: 4が3個で他は3)は、偏差値53程度の中堅校にギリギリ届く水準。
- 偏差値60以上を目指すなら、内申点35以上が必要で、ほぼオール4が求められる。
内申点の平均は危険な状態
- 内申点が平均(30点前後)では、高校受験で中堅校以上の確実な合格を保証する水準ではない。
- 本番で高得点を取る力がない場合、平均程度の内申点では志望校合格が難しくなる。
評定「3」の問題点
- 評定「3」の守備範囲は非常に広く、下位80%程度でも評定「3」が取れる。
- テストで40点〜50点程度でも「3」がつくため、評定「3」は実質的には下位層に該当する。
中2までが内申点を上げる勝負時期
- 中3で内申点を上げるのは非常に難しい。ほとんどの生徒は中2までの内申点をキープする形で終わる。
- 内申点を本格的に上げるなら、中1〜中2の間に取り組むべき。
親が取るべき行動
- 平均程度の内申点の子供を持つ親は、現状を正確に把握し、志望校設定を現実的に見直すべき。
- 子供の努力不足だけでなく、環境や遺伝的な要因も考慮し、適切な進路選びをサポートする。
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※高校受験おすすめコラムは以下の通りです。
・【高校受験】親ができること厳選3個紹介!後悔しない子供への接し方
・【高校受験】勉強するのが遅すぎた!手遅れになる子の特徴を解説
・中3からでも間に合う内申の上げ方や裏技が大嘘である理由と現実
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