高校受験の勉強をするのが遅すぎた…
こんな風に考えてしまうことはありませんか?
ネット上の色々な情報を見ていると、
・どこからでも逆転できる!人生に遅すぎなんてない!
・高校受験なら本番の点数次第なんだから努力の問題
・今からでも間に合う!諦めない心が大事
といった、希望に満ち溢れた「精神論」が多数並べられています。
しかも、その大半は学習塾のHPで、「まだ間に合う!勝負の夏期講習」などの講座に誘導されています。要するに、不安を煽る系ビジネス。
しかし、現実的に「手遅れ」「ほぼ手遅れ」みたいなケースは世の中には山ほどあります。もちろん、高校受験だって例外ではないです。
本記事では、現役塾長が本音ベースで「高校受験で勉強が遅すぎて手遅れになる子の特徴」を解説します。
※無理なものは無理と言います。決して「逆転合格のための講習はこちら」などセールスはしないのでご安心を。
※全保護者さんに読んで欲しい「勉強法や子育て本のおすすめ」を以下の記事で紹介中。Kindle Unlimitedを使うと全て”無料”で読むことができます。
【高校受験】勉強するのが遅すぎた!手遅れな子の特徴
まず最初に、全受験生と保護者の希望を打ち砕く現実的な話から始めます。
「小学生を1日で東大に合格させろ」と言われても無理です。「3日で50kg痩せろ」と言われても無理です。
世の中の目標は、時間的な制約を受けるものが大半です。理論上、始めるのが遅すぎたらどうしようもならないことなど山ほどあります。
そこで後悔しないために、人は頭を使い考え、そして前倒しの行動をし続けないといけないのです。ある意味では、勉強はそのために必要なことです。
それでは、「高校受験で勉強が遅すぎて手遅れになる子の特徴」を解説します。
精神的な幼さに問題の根っこがある生徒
塾屋として一番最初に白旗をあげるのがこれ。
とにかく精神的に幼くて、嫌なことから逃げ続け、嘘をつき、誤魔化し、正当化しながら生きてきたタイプ。ここに、「女子生徒」と言う条件がつくと、もう手に負えない。
このタイプは、勉強するのが遅すぎたと言うより、何もかもが遅すぎるのです。精神的な育成という点でコケているので。
残念ながら、中3にもなって幼さが抜けきらないキッズ系の生徒は手遅れです。
小学校レベルの問題が解けない
精神的な幼さの壁をクリアしてくれたとしても、一定レベルの学力を有していない子も手遅れです。
“中3なのに小学校レベルの問題が解けないタイプ”
がその最たる例です。
もし1年程度の時間をもらっても、望まれる志望校への合格は厳しいケースが多いです。(偏差値50以上を望まれたら99.999….%無理)
このタイプは、正直学年に30%以上はいるイメージです。だから、志望校にもよるけど、学年30%ぐらいは手遅れ。
この子達、小学校の算数に関しては、学年下位層は大人になっても解けずに終わるでしょう。
そんな子でも、中3の1学期には「因数分解」をさせられます。夏明けには2次関数の問題を解かされます。
ハッキリ言いますが、無理です。
だって、「時速60kmで走る車を1時間30分運転したら何km進む?」レベルの問題をボコボコ落とすんですから。現役小学生と比較してもワンチャン下の方です。
この状態で受験生になられては、何をどうしたって時間的に間に合わない。申し訳ないですが、そうなる前に手を打てなかった時点で勝負は決まっています。
中3二学期で内申点を5ポイント以上伸ばす必要がある子
公立高校受験の場合、比率にもよりますが「内申点」でおおよその合否の決着がついてしまうものです。
ゆえに、内申比率が大きい兵庫県のような地域では、まず逆転合格は起こせない。
そして、内申点的に手遅れになるケースとして、「中3の二学期で5ポイント以上内申点をあげないと合格が厳しい」って子はもう手遅れであるケースがほとんどです。
中3の一学期にオール3の生徒がいたとして、中3の二学期で内申点をオール4に上げないと志望校合格に必要な内申点が確保できないみたいなケース。これは9ポイント内申点アップが必要な事例ですがまず無理。
というより、二学期だけで5ポイント上げるとかもほとんど現実的ではありません。
内申点を1ポイント上げるのって、クソ大変です。「2」を「3」にするだけならまだ出来るけど、「3」を「4以上」にしないといけないのは本当にしんどい。
この理屈が分からない人は、評定「3」と評定「4」の壁についてもう少し勉強して欲しいです。感情論ではなく、データで。
にも関わらず、そうしないと目標達成しない志望校を掲げているのなら、それはもう手遅れということ。無慈悲にも、中3の一学期の内申点で勝負が決まってしまったとも言えます。
1年間で偏差値を10ポイント近く上げる必要がある子
1年間で偏差値を10ポイント近く上げないと志望校に受からないケース。
これも例外があるのは知っていますが、それは「外れ値」であり、現実的にはほとんど実現しないと思ってください。
そもそも、機能している学習塾でも、子どもの偏差値って1年間で3〜5ポイント伸ばせれば十分な成果と言われています。その子の地頭があるので、方法論を極めても、平均的にはこんなものです。
そして、年次が上がるごとに学問のレベルが上がるので、偏差値の伸び率が悪くなる。また、人によるけど、一定の偏差値で伸びとどまる時期があって、そこを超えるのにはさらに時間がかかるってケースが多い。
そんな中、1年間で偏差値を10ポイント近くも上げるのが、いかに現実離れした目標か分かっているか?って話。別に目指すこと自体は否定しないけど、現実的に「外れ値」だってことは分かって目標を口にして欲しい。
なお、この計算が出来ないのが、中2の終わりぐらいで「オール3」みたいな内申点を取る子とその保護者。
この層の生徒は、決まって偏差値53〜57ぐらいの志望校を口にします。
しかし、オール3は学年の真ん中でもなんでもない。下位層です。偏差値40〜45ぐらいがボリュームゾーンです。このレベルの子が、受験生になると偏差値53以上の志望校を口にし始め、親もそれを望み始めます…
なお兵庫県の第一学区で言えば、「オール3で六アイ(偏差値53)を志望校にする子」がその典型です。毎年、大量にこの層が発生します。内申点に2があっても、六アイを口にする子もいます。無理です、受かりません。
塾としては、この層を抱え込むと、まあ受験指導が大変です。そもそも無理な目標を望まれ続け、親からプレッシャーをかけられます。しかも、不合格になる確率の方が高く、進学実績にも傷がつく。地獄です。
こういう子が、公立中学校だと30%ぐらいいるイメージ。ほぼ全員志望校には受からない。最後は私立専願に逃げるか、偏差値45以下の普通科高校に渋々行くことになります。
志望校合格に必要な内申点が絶望的に不足している
物理的にどうしようもないケース。
公立高校受験における「内申点不足」の問題です。
ネットには、内申点が足りなかったけど本番で逆転合格できた!と言う成功事例が溢れています。だから、そこに希望を持ちたくなる気持ちも分かります。
しかし忘れてはいけないのは、「本番で一定以上の点数を取ることができたら、内申点が他の合格者より低くても何とかなるレベルの内申点の低さ」と言う前提条件があることです。
例えば、「本番で520点取れば逆転合格!」といったパワーフレーズは成立しません。
しかし、「本番で500点取れば合格!」はどうか?計算上は起こりうるけど、絵に描いた餅すぎて話にならない。要するに、本番の得点が現実的に無理な場合はどうあっても無理です。
高校受験で「勉強するのが遅すぎた」と親が感じた時の対処法
高校受験において、「勉強するのが遅すぎた=手遅れ」を感じる瞬間は決して珍しいことではありません。
人間は毎年のように同じ失敗を犯し、同じ後悔をします。受験の場合は、先輩たちが過去にやった失敗を、後輩たちが同じように繰り返す。いかに学校や塾で過去の失敗例を伝えても、いざその立場にならないと人は気づかない。そして、気づいた時には手遅れ…こんなもんです。
もちろんそれは、親御さんレベルでも起こります。先輩ママの失敗例なんてゴロゴロ情報が転がっていても、それを調べて分析し、失敗しないように手を打つことが出来る人なんて一握り。
だから、子供と同じように親も失敗する。いや、子育てレベルの話なら、親が先にコケていて、必然的に子供もコケたって考える方が自然です。
しかし、親御さんは自分を責めなくてもいいです。塾長をやっていて思うのは、子供の学力に関して言えば、親の責任とかではないと思うことの方が多いからです。
最後に、親御さんへのメッセージを書いて終わります。
子供の学力のベースは「遺伝子」で決まる
まず、元も子もない話から。
そもそも、子供の学力なんて、基本的には「遺伝的なもの」で決まります。環境要因もあるけど、比べ物にならないレベルで遺伝子の問題。
同じ兄弟でも、学年トップと学年最下位って子を見たことがあります。どちらも同じ塾に通っていました。同じ親に育てられました。その差は何?
そんなもの、「与えられた初期条件=遺伝子」でしかない。
計算上、1組の夫婦から生まれる子供のパターンは「約7兆通り」と言われています。だから、めっちゃ勉強が得意な子が生まれることもあれば、その逆もある。
もちろん、元々の両親の持っている遺伝子で決まるのだから、同じ7兆通りでも賢い子が生まれる確率は平等ではないです。だから、賢い親同士の子供の方が賢い子が生まれる確率は高い。
しかし、仮に賢い親同士で子供を作っても、7兆万分の1の中には勉強が苦手な子の遺伝子の組み合わせパターンも存在するのです。
まずは、人間という生物がどう出来るのかを理解することが重要です。
なお、学力に関しては遺伝と環境要因が形質に与える影響割合は、概ね「60:40」で遺伝の方が影響大です。

この研究結果は、慶應大学の安藤教授の本にも記載されています。詳しく知りたい方は、以下の書籍を読んでみてください。
話を戻すと、結局は7兆分の1で子供の形質が決まり、それは元の親の形質にもよるが、組み合わさり方はランダム(=運)ということ。つまり、親御さんの責任なわけがない。
まずは、この大原則を受け入れ、親御さんは気持ちを楽にしてください。
勉強に必要な「勤勉性」もまた遺伝で半分決まる
勉強は、瞬間最大風速を吹かすような競技ではないです。コツコツと積み上げていく競技の代表格ですね。
要するに、「勤勉性(真面目にコツコツ)」が求められる競技です。
しかし、こんなものは性格の問題であり、先の研究結果でも5割以上は遺伝で決定されると言われています。
だから、幼少期から塾通いに追い込み、無理やり勉強習慣をつけさせようとしても、それが上手くいくかは分からない。遺伝子の影響を半分以上も受けるのですから。
子供の頃から我が子を一番近い距離で観察してきた親御さんであれば、お子さんに「勤勉性」があるかないかなど、遺伝子検査をしなくても手に取るように分かるのではないでしょうか?
小学校のことから雑な子います。途中式も全然書かない子。文章を読み飛ばしまくる子。宿題だってギリギリにならないと手をつけない子。忘れものを繰り返す子。字が極端に汚い子。発言が幼稚な子。注意散漫で人の話が聞けない子。
塾で指導していれば分かりますが、小学校の低学年ぐらいにはもう分かります。努力や教育の問題ではなく、生まれつきのものです。しかし、その変数が学業成績に及ぼす影響は大きすぎるということです。
親御さんの「子育ての仕方」とかそういう次元の話ではなく、もっと根っこにある部分の話なのです。
現実的な目標設定をするために:事実に基づく情報収集を
高校受験のタイミングになると、子供も親も嫌でも現実と向き合うことになります。これまで目を背けてきたことにも、目を向けないといけないこともあります。
そして、受け入れたくないけど、受け入れないと問題解決に向かわないこともあるはずです。
ただ、それは親より子供の方がしんどいのではないかな?
だからこそ、保護者さんが子供を追い込むようなことは合ってはならない。非現実的な目標を立て、あなたが行って欲しいと望む高校に進学させようと考えるのもやめてあげて欲しいです。
受験期に親御さんがまずすべきことは、子供の前提条件(遺伝的な能力)を受け入れること。そして、感情を排除して事実ベースで情報を集めることではないでしょうか?
総括:【高校受験】勉強するのが遅すぎたケースまとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- 勉強が遅すぎたと感じる瞬間は珍しくない
多くの受験生や保護者が、過去の失敗や後悔を繰り返している。 - 子供の学力は主に遺伝子で決まる
学力の約60%は遺伝によるものであり、親の努力だけでは改善が難しい。 - 勉強に必要な勤勉性も半分以上は遺伝
コツコツと努力できる性格や習慣も遺伝の影響を受けるため、無理やり変えようとしてもうまくいかないことが多い。 - 精神的な幼さがある子は手遅れになる場合が多い
自己管理や嫌なことから逃げる傾向が強い子供は、受験に向けた勉強が間に合わない。 - 小学校レベルの問題が解けない子は厳しい
中3になっても基礎学力が不足している場合、時間内に志望校に合格できるレベルまで引き上げるのは困難。 - 内申点が足りない場合は逆転合格が難しい
内申点を数ポイント以上大幅に上げるのは非常に難しく、手遅れとなるケースが多い。 - 1年間で偏差値を大幅に上げるのは非現実的
偏差値を10ポイント以上上げるのは「外れ値」であり、現実的にはほとんど不可能。 - 親が非現実的な目標を押し付けるのは逆効果
子供に無理な目標を与えるのではなく、現実的な目標を設定することが重要。 - 受験期に親がすべきこと
子供の遺伝的な能力を理解し、感情を排除して事実に基づいた情報収集を行う。
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※学習塾に通っていない場合は、塾用教材を使って勉強するのが効率的です。市販教材に比べて圧倒的に質が高くコスパもいいです。学習塾の先生の要望に応えた教材で、痒い所に手が届く良書ばかりです。本屋では買えないですが、Amazonなら購入可能なので、以下におすすめ教材をまとめておきます。
※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
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