兵庫県の第一学区で公立中学専門で全教科指導型の学習塾をやっていると、子供を見て少し指導すれば概ねその生徒がどのぐらいの高校に進学するかは良くも悪くも分かります。
まず、兵庫県第一学区の公立高校と私立を含めた進学先をランク別にカテゴライズすると概ね以下の5つに分けることができます。
①神戸・長田・兵庫高校に進学する生徒
②御影・星稜・葺合に進学する生徒
③県芦・六アイ・須磨松風など中堅校に進学する生徒
④六アイや須磨松風に届かない生徒
⑤私立専願で高校の一番下のコースなどに進学する生徒
これらのレイヤーは、大体中2ぐらいの成績を見ればおよそ分かり、恐ろしいぐらいそれから先も変わりません。それぞれ、どういう生徒が各カテゴリーに該当するか正直に思っていることをお伝えします。
①神戸・長田・兵庫高校に進学する生徒
第一軍の生徒は、大原則として中学の中では明らかに頭ひとつ抜けている感じです。
指導していても、説明している内容を話の途中で理解し切ってしまうことも多いです。基礎標準の問題を解説して少し演習させれば、そのまま応用問題まで到達します。
普段の定期テストで430点〜470点ぐらいに得点レンジがあり、通知表はほぼオール5になるような生徒です。学年の中でも上位10%程度です。
もちろん、こうなる理由はこの子達の才能が高いからです。塾などの指導法の差などしょーもない議論です。この子達は、誰からどう教わろうが出来ます。だから、馬渕に行こうがエディックに行こうが、ウチのような個人塾来ようがどこでも成果が出ます。だから、コスパがいい塾に行くのが本来合理的です。塾選びなどで親は悩む必要もないです。どこに行こうが上手くいきます。
しかし、高校受験における最上位校の生徒なので、全員が全員そんな天才でもありません。
感覚的には、神戸兵庫長田に合わせて10人行くような中学だと、上3人は別格(将来神戸大以上狙える)、②真ん中4人は賢い(将来は関関同立)、③下3人は賢いけど少しランクが下がる(大学受験だと産近甲龍レベル)というイメージです
後述しますが、この3校にギリギリ滑り込めるかどうか不安で悩んだ挙句、勝負しない生徒も出ます。御影や星稜などに下げるパターンです。この層は、実質御影や星稜のトップですが、僅差で一軍に入れなかっただけで、レベル感的にはこのカテゴリーです。
②御影・星稜・葺合・夢野台に進学する生徒
次に、第一学区の2番手のグループに入り込む生徒です。御影と星稜がほぼ同格で、葺合と夢野台がほぼ同格でそのワンランク下です。
大雑把なイメージ的には、大体こんな感じです。
・御影星稜
→定期テストは370点〜430点で、通知表は4と5が半々で埋まる
・葺合夢野台
→定期テストは350点〜380点で、通知表はオール4
このレンジに属する子が、大体学年の上位25%程度です。上10%程度が神戸長田兵庫なので、上位10〜25%のレンジに入る子達です。この子達は、ある意味ウチの塾が最も得意とする子たちと言えます。勉強時間が長く、テスト直前対策をガチってくれる親身な塾が大手塾よりも相性がいいからです。
この子達は小学校の頃から勉強は確実にできていた子達です。国語の初見文章題もこなすし、算数なども対してつまづかなかったはずです。話していてもそれなりに賢いと思われてきたタイプです。明らかに普通以上のポテンシャルをもっている子です。
だから、中学に入って覚醒したとかでもなく、小学校の頃から概ね上位10〜25%とかのレンジにいたはずです。イメージ的には、小学校のテストでは大体90点〜100点近い点数を取っていたって子です。
ちなみに、ここも狙って入れるレンジではありません。勉強適正という遺伝的な条件を無視できません。この層は上位25%の上位グループであり、努力と工夫さえ噛み合えば誰でもチャンスがある!とは口が裂けても言えないのです。普通以上の地頭の子を結構ガチらせることで再現性が生まれます。
なので例えば小学校の時に、
・いつまでも九九が覚えられなかった
・昨日やったことを次の日にすぐ忘れる
・カラーテストですら90点以上取れないことが多かった
などに該当する生徒が、中学で上位25%に入る姿など余程の外れ値以外は全く想像できません。仮に中学で逆転して上位25%に入るとしても、少なくとも小学校時点で上半分ぐらいの地頭(せめてカラーテストで85点以上が平均)はないと現実的には無理です。
小学校で下半分にいた子が中学でこのレイヤーに入るなど極小です。少なくとも自分は見たことがないです。なお、小学校で下半分とはカラーテストで80点取れない生徒のことです。60点とかだと全く論外です。
小学校のカラーテストごとき、このレイヤーは努力などしなくても80点は切らないんです。
逆に、努力しないとカラーテストで80点をキープできなかったり、塾通いや習い事をさせていてもカラーテストで80点を切るようなタイプはその時点で先が見えてしまいます。明らかに勉強適性を欠いているからです。中学で頑張ったからといっても、このレンジまで上がるのは相当辛いです。
これを理解せず、親が「なんとしてもうちの子を葺合以上に!」と思っても無理です。地頭の最低水準を満たしておらず、中学以降の勉強の難易度と暗記量に耐久できません。
もちろん、決めつけるな!とおっしゃるのは大いに結構です。しかし、何年も同じように指導して、中学の範囲は全教科全て知り尽くして、実際に兵庫の公立入試を全科目指導し、何パターンもの成功例・失敗例を見て言っています。決して本で読んだことを知ったかして書いているのではありません。
なお、このレンジは同じグループ内でも学力差がかなりあります。
まず、御影や星稜に上位合格できる生徒は、このカテゴリーの中では頭ひとつ抜けます。正直、勝負さえしていれば神戸・兵庫などに受かっていたという生徒はザラにいます。
ただ、内申点が不足したり、そこまで上昇志向がなく、「手堅く御影受かればいいや。」的なノリで二番手の高校で満足するような生徒もいます。このタイプの中には、実質的には第一軍の下位と同じレベルの学力水準があると言えます。
これが御影や星稜の一軍で、それ以外になると御影・星稜の2軍か葺合や夢野台などのギリギリ上位校と呼べる偏差値60程度の学校にランクが下がります。
正直この層は、表面的な知能格差は感じません。御影に下半分で受かる子と、葺合や夢野台の上半分で受かる子なんて何も差がない。葺合や夢野台の下半分になると少し知能差を感じなくもないですが、そこまで細かく分けるレベルの差ではありません。
では、何が御影・星稜グループと葺合・夢野台グループの差を分けているかというと、概ね以下の項目です。
①副教科の内申点
②兵庫県の入試問題との相性
ご存知の通り、兵庫県は副教科の内申点を7.5倍するという鬼畜プレイをかましてきます。だから、5教科の学力が一定水準に達しても、副教科で内申が積み上がらないと上位校の受験が厳しくなります。
なお、各校の内申点目安は以下のとおりです。
・御影星稜:内申点215〜230点
・葺合夢野台:内申点200点
ここからわかる通り、その差は15点程度しかありません。しかしこの15点は副教科のポイント2個分に相当します。副教科の内申が低い場合、同じレベルの学力でも御影にいけず葺合に下げるしかない子が続出します。
そして、定期テストでは350点〜380点とか取れていても、副教科に4以上が付かずに3ばかり並ぶタイプの生徒が一番残念です。ひどいと、県芦か六アイまで志望校レンジを下げることになります。これが一番悲惨な末路で、点数そこそこなのに内申が取れない生徒(主に男子)の末路です。
あと、御影と葺合を分ける差として、兵庫県の入試問題との相性問題もあります。兵庫県は理数系の科目で高得点が取りずらく、英語と社会の2つが高得点が取りやすいです。
そのため、シンプルに英語と社会が得意かどうかの差が本番の得点力の差に直結しやすいです。く、理数科目でいつも点数を稼いでいた子に不利な入試になります。そのため、文系科目が苦手だと、御影を断念して葺合に落とすしかないケースも想定されます。
③県芦・六アイ・須磨松風など中堅校に進学する生徒
このランクまでが学力という世界で何とか勝負できる水準にあるギリギリのラインです。小学校のカラーテストで最低でも80点は取れていた子で、中学だと定期テストは320点〜360点ぐらいをウロウロする生徒がまさにこのゾーンです。
第三軍にギリギリ踏みとどまれる子は、「平均程度or平均よりも少し上の地頭水準を有している生徒」と言えます。このランクを下回ると、そもそも中学の勉強をやらせる上で最低限欲しい地頭水準を下回り始めます。
この三軍は勉強適正が壊滅しているわけではなく、努力次第では葺合や御影までなら全然狙えます。ただし、第二軍と第三軍を決定的に分ける要素があります。
それが、「勤勉性」です。
このレンジの子は、中学レベルの内容であれば、説明を聞いてわからないなんてことはありません。普通に理解するし、そこそこ教えればできるようになります。
ただ、
・計画的にコツコツ勉強する
・暗記小テストなどのために家で勉強してくる
・塾や学校で言われた課題を真面目にこなす
といったことが致命的にできません。
特にコツコツ進めるということが壊滅的にできず、毎回のようにテスト直前になるまで勉強をスタートしようとせず、その場しのぎの瞬間最大風速で逃れようとします。
小学校や中学の最初はこれでそこそこの順位を取れてしまうのですが、中2ぐらいからは勤勉性がない生徒は順番に駆逐されます。だから中2のタイミングで、地頭水準が自分より少し下でもコツコツ努力してきた子に追い抜かれるウサギとカメ現象が起こります。
このタイプは通知表で3と4が半々ぐらいに並ぶような生徒に多いです。悪くはないけどいいわけでもないとはまさにこの層です。生き方の節々に雑さが出ています。ゆえに、内申点がオール4以上の水準に行く未来が見えず、点数的には葺合にいけそうでも内申的に全く無理で県芦か六アイに着地します。
この層は、以下でも詳細に解説しています。
この層は、そもそも小学校の段階で概ね学年の上位40%程度にはいたような生徒をイメージして欲しいです。
学年の下位半分とかの子は後述するレイヤーにあり、やはり第三軍との間には超えられない地頭の壁があります。この辺りから、努力ではひっくり返せない能力格差を強烈に感じます。
なお、ここまで紹介した①〜③のレイヤーが、勉強という競技を頑張れば頑張るほど恩恵を受けやすい生徒です。
ハッキリ言いますが、この①〜③までが同年代の約40%程度で、自分の思う中学以降の勉強に耐久できる地頭を持ち合わせている生徒です。学習塾の恩恵も受けやすく、公立高校の偏差値53〜70程度の学校に行ける子です。
④六アイや須磨松風に届かない生徒
ここから先は、正直なところ勉強という競技では報われる可能性が極めて低い層です。これより下に分類される生徒は学年の下位60%程度です。
まず③と④のグループには、致命的な差があります。それが「中学の勉強をこなす上で最低限必要な地頭水準を満たしているかどうか」です。学力テストなどで露骨に分かりますが、通知表で3になる生徒だと以下の記事で紹介した問題が解けません。
なので、これ系の問題でいくつかテストすれば、その子に勉強適性があるかどうかなどかなり角度高くめくることができます。
④の層は先天的(遺伝的)な脳構造の問題として、勉強適性が明らかに欠如しています。言葉を選ばずハッキリ言えば、物分かりや物覚えが悪いです。だから小学期のカラーテストで80点を平気で割り込みます。
地頭が一定水準を超える子だと、努力不足でも勉強不足でも、己のセットポイントの範囲内でさばけば80点など多少ふざけても切らない。でも、このレイヤーは地頭で処理できることが少ないです。だから、努力させて80点とか、努力させても80点を割り込むなどの現象が平気で起こります。
この④の生徒は大体以下のような法則で見抜くことができます。
1.塾なしor個別のゆるい塾に通塾のケース
→定期テストの点数が230点〜250点をウロウロ
2.週2〜3程度の通塾回数の塾に通う
→定期テストの点数が250点〜280点をウロウロ
ういう感じだとほぼ間違えなくこのレンジです。
1つ目のケースは、そもそも塾に行こうが行かなかろうが、最低水準の地頭さえあれば250点など普通に生きていれば取れるのにも関わらず、その水準を割り込んだことから、「この子は勉強適性がそもそも低いな」と判断できるケースです。親は勉強のやり方が…と思うのでしょうが、シンプルに地頭が良くないだけってケースが多いです。
2つ目のケースは、一般的にそこそこやっている塾に通わせて勉強させているのに、平均点程度で止まってしまう所がポイントです。要するにやればできる子ではなく、「やらせたけど出来なかった子」です。
これで小学校の時のカラーテストで80点を割り込んだという情報まで出そろえば、全てにおいてこの④レンジにドンピシャでハマる生徒だと確信します。そして、後述する勝利条件を満たせない可能性が極めて高いので、六アイや須磨松風に受からないタイプの生徒となります。
塾としては将来の退塾予備軍の生徒(成績不信を理由に辞められやすい)となりますので、事前にお断りすることになります。そもそも地頭レンジが低すぎて、親や本人が六アイ以上を望んでも高確率で届かず、どこかのタイミングで辞められることは安易に想像できるからです。
そして、このタイプの通知表はオール3かワンチャン2があるとかです。4が取れていないというのもよくある話です。そして、3は3でも下位グループの3である可能性が高く、4に引き上がる見込みが弱く救済できる目処が立たない子も非常に多いです。このことは以下の記事でも書いています。
なお勘違いしてほしくないのは、地頭レンジが①〜③の子は、④のレンジを努力して抜け出して今の立ち位置を獲得したとかではなく、もともと④のレンジには生まれた時からいなかったということ。これが遺伝論を避けては通れない理由の1つです。
塾で指導しても、③以上の子であれば説明を聞けば理解できるような問題でも、④以下の層になると急激に雲行きが怪しくなります。地頭が良くないので、一定以上の概念を超える思考が極めて困難になります。中2以上の勉強になると特に理解できないことが増えてきます。
保護者はそれを指導者の説明力不足にしたいかもしれません。でも、そもそも③以上の生徒はしっかり理解できるのに、この層以下の生徒がいつも首を傾げて「分からない…」となっているのです。
明らかに理解力に先天的な格差があるからです。
この層は国語的な読解力も非常に弱くいです。語彙力もとても弱く、知ってる言葉や読める漢字も少ないです。だから、実力問題の国語などは露骨に低い点数を叩きます。これが③以上の生徒だと、地頭だけで耐えれるので普段勉強してなくてもそこまで酷くはならないです。こういう所が才能格差を見分けるポイントになります。
同じように暗記する時間を取って確認テストなどをしても、露骨に点数差が開きます。脳の処理スペックが明らかに低く、一定の時間で理解・暗記できる量に差が出まくるのです。
こういうのは努力で差がついているのではなく、根本的な脳の作りの差が大きいのは言うまでもないです。
この差を何でもかんでも努力で埋めようとしても、時間は有限で体力にも限界があるので、どこまで行っても上位層には勝てません。それどころか、③ぐらいの地頭にある怠慢野郎にすら負けます。仮に努力量では勝っていたとしても地頭で大きく負けるとそうなります。
だからこの層は、偏差値50ちょいの六アイや須磨松風の受験すらも厳しくなります。
六アイや須磨松風に受かりたければ、評定の4を最低でも3〜4個以上はつけなければいけないです。でも、評定4とは学年でも上位35%程度に入っていないと貰えません。
ただ、このレンジの子供はベースの地頭水準が低すぎるがゆえ、3個も4個も上位35%に入るような教科を作り出すことが極めて困難になります。そもそも3の中でも下位グループです。だから、4まで内申を上げるのは実質2段階アップを意味します。まあ難しいです。
そうなると内申的にはオール3とか、よくて4が2個とかで伸びとどまることになります。ここに、六アイ以上に必要な勝利条件を満たしていないという致命的な現実が見えてしまいます。
よって最終的には、
①私立専願で龍谷とか神戸学院などの特進を受ける
②私立専願で龍谷とか神戸学院などの真ん中のコースを受ける
③どうしても公立なら専門学科(工業など)か東灘に下げる
とかしか選択肢がなくなります。
ここで驚きなのは、龍谷や神戸学院なども私立専願で受けてしまえば、このレベルの学力層(オール3とか)の生徒でも合格している事例があるってことです。私立高校の偏差値などマジで当てにならず、この辺りの中堅私立の特進って本当にピンキリの学力です…
御影や葺合の滑り止めにもなる一方、内申不足とはいえ六アイレベルを断念して専願にするしかなかった生徒でも受かるのが中堅私立の特進コースです。
もちろんですが、この層は将来のFラン予備軍筆頭です。高校受験でしょうもない学歴ロンダリングをしようが、大学受験で落ちるとことまで落ちるだけなのですから。
⑤私立専願で高校の一番下のコースなどに進学する生徒
最後のレイヤーは、正直勉強という競技からは退いています。学年の下位30%以下の生徒です。
先ほどから言っている「中学の勉強をこなす上で最低限必要な地頭水準を満たしているかどうか」という観点では、カスってもいません。④の層の生徒は、なんとかケツを叩けば平均付近までは上がるのですが、この層はケツに鞭を打っても平均まで上げることが極めて困難です。
中学以降の勉強をする上で必要な前提条件を大幅に欠いており、勉強時間を増やそうがかなり早い段階で限界点が見えます。どれだけ上手くハマっても250点ぐらいで止まります。
正直、学力のレベルは標準的な小学校高学年以下です。
この層は、境界知能か学習障害の検査を受ければ引っかかることはよくあります。だから、そもそも知能競技に無理やり引っ張り出して戦わせるような子でもないのです。
※ちなみに今の通知表だと境界知能の子でも3がつくので、3だからと言って全くその疑いがないと考えるのは間違えです。
この子達は努力すれば多少は良くなりますが、元々の水準が極めて低いので、良くなったとて…みたいな部分は正直あります。小学校の段階から学年の下位30〜40%以下とかにいて、中学では5教科で200点以下になることも普通です。たまに運よく230点とかになりますが、その差は六アイ以上の高校の受験結果に何も影響を与えません。
公立であればそもそも東灘すらワンチャン危ないレベルです。だから、私立専願で最も低いコースを提案されることになります。
この層は、どういうルートを辿ってもおそらくそこに着地します。そもそもの地頭のレンジがあまりに低すぎて、知能競技をやらせるには無理があります。手遅れとかそういう次元にもありません。仮にもっと前もって計画的にやらせていても、そこまで結果は変わらないでしょう。
人は向かないことを多少前倒しでやっても、どこかで本人の才能に引き戻されます。これが小学生ぐらいなら誤魔化せますが、中3の二次関数や相似の証明などをやらすとなればもう無理です。諦めの悪い親でも、ここまでこればいよいよ諦めモードに入ります。
しかし、中1や中2だと、明らかにこのレンジにいてどうしようもない状態でも、「今から頑張れば六アイや県芦は行けると思います!」とエビデンスもサイエンスもない希望的観測論だけを掲げて塾に問い合わせをしてしまう方がいらっしゃるのも現実です。
努力と工夫でなんとかなるのは、その競技に必要な最低ラインの水準を満たしている場合です。地頭のセットポイントが一定値を割り込んだり、あるいは親望みと子供の地頭の乖離がありすぎると、それはもう解決不能な問題となり、努力云々の話ではなく「親の受け入れ」の問題でしかありません。
総括:兵庫県第一学区における公立中学生の学力差まとめ
最後に、本記事のまとめを残しておきます。
- 高校進学先は中2終了時点で9割が確定的になる
→地頭・内申・学力傾向が固まるため - 進学先は5つの学力レイヤーに分かれる
①神戸・長田・兵庫(最上位)
②御影・星稜・葺合・夢野台(上位)
③県芦・六アイ・須磨松風など(中堅)
④中堅未満(勉強適性が低い)
⑤最下位私立専願(勉強競技に不適) - ①の生徒は“別格の地頭”があり才能が支配的
→努力よりも才能。塾はどこでも成果が出るタイプ - ②の生徒は上位25%で、地頭+勤勉性が両立している
→ただし副教科内申と入試傾向(英社有利)が合否に影響 - ③は“勉強適性あり・勤勉性なし”タイプ
→地頭はあるがコツコツ型でないと上位校は無理。通知表は3と4が半々 - ④は中学内容に必要な最低限の理解力を欠く
→説明しても理解が追いつかない、暗記力も弱い。評定4を取れない - ⑤は学力が中学レベルに到達しておらず、勉強競技から脱落
→境界知能・学習障害の可能性も。最下位私立の下位コースが進路 - 地頭の“最低ライン”を満たしていないと、努力は報われない
→塾や親の希望よりも、才能(処理能力・暗記力・読解力)が決定打 - 特に中学以降は、才能と努力の両輪がなければ逆転は起きない
市販教材に比べて圧倒的に質が高くコスパもいいです。学習塾の先生の要望に応えた教材で、痒い所に手が届く良書ばかりです。本屋では買えないですが、Amazonなら購入可能なので、以下におすすめ教材をまとめておきます。
※市販教材でおすすめ教材を知りたい人には、以下におすすめ参考書・問題集をまとめた記事を掲載しておきます。
※中学生向きコラムおすすめ関連記事は以下の通りです。
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↓勉強のやり方について解説している書籍↓
「ウチの子は勉強のやり方が分からないと思うんです…」とお悩みの方は、上記の2冊の本をポチって読んでください。中学生の勉強の仕方の全てや、定期テストの勉強法まで全て包み隠さず書かれています。
現役の学習塾の塾長さんが現場指導の経験を基に書かれているので、よく分からない教育評論家の綺麗事とは無縁の超現実的実践的な勉強の本です。お子さんの伸びない原因が本当に勉強法を知らないことにあるのなら、上の2冊の書籍で問題解決します。
また、高校入試の全体像が分からない人や、高校受験生の勉強計画をどう立てていいか悩まれている場合は、以下の書籍を読んでください。
こちらは、高校入試の勉強法の全て(どの教科からやるか・どの時期に何をやるかなど)がかなり細かく書かれています。
